Powder Snow 4 〜御曹司との恋〜

・ ページ47

……どうしよう




考えたくもない恐ろしい想像が
次から次へと 脳裏に浮かび上がってくる。







………大変だ。





もし屋敷から出ていかれたとしたら…
どこを探せばいいんだろう、、


迷子にでもなっていたら…





もし、、
悪い輩がいたとしたら？

あんなに可愛いらしい坊ちゃんなんだ。
攫いたくなるに違いない！

ましてや、五十嵐のご子息…
金目当ての誘拐も 充分にありうる、、






サァー、足元から血の気が引いていく








そんなことになったら 俺は 旦那様に
なんとお詫びをしたらいいんだろう、、


腹を掻っ切るくらいじゃ足りない！

俺がついていながら…
なんてことだ！






Prrrr…





内ポケットの中の携帯が鳴る。





………ま、まさか、、犯人から…






バクバクと胸を打つ、心臓
慌てて携帯を取り出し 耳に当てがう。







「もっ、もしもし！」


『あー健ちゃん？』





電話を掛けてきた相手は
呑気な声を出した。

犯人でも警察でもなく、、








「なんだよ、臣！
今それどころじゃないんだ！後にしてくれ！」


『健ちゃん 心配してると思って…、』









・









・









『本当は内緒だ、って言われてるんだけどね、、』





『健ちゃん、怒んないであげて、、』









臣が教えてくれた場所に辿り着くと
少し離れた場所で、ニコニコ笑う臣と坊ちゃんの姿が目に入った。



途端に胸が撫でおりる。








近づいて 坊ちゃんの前に跪くと、
坊ちゃんは 臣を見上げてから
バツが悪そうな表情で 俺を見つめた。


叱られる覚悟が 出来てる御様子。








「………プレゼントは見つかりましたか？」





小さな手の中には、
リボンのついた包装紙







「………怒らないの、、？」


「怒りますよ。今から。」


「………」








「でも…、叱る前に、お姉様想いの優しい方に育ってることを 褒めてあげたいです。」


「…………」



「プレゼントを買いに行きたいのなら
そうおっしゃってください。」









「ごめんなさい、」




涙の溜まった瞳を見たら、
どうも俺の眉は 下がってしまうみたいだ。







「いいえ。健二郎の方こそ申し訳ありませんでした。坊ちゃんのお気持ちにも気付かず
気の利かない執事でしたね。」







プルプルと小さく首を振る、坊ちゃん。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す