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剛典さんが約束してくれた。
もう、あの人には会わないって。
すごく嬉しかった。
私の気持ちを優先してくれたことが…
伝えてくれた言葉の端々にも
私を大切に想ってくれてることが分かったから…。
だからこそ、
やっぱり知りたいと思った。
「………未遂、、というよりは…
眠れないから大量にお酒を飲んで、睡眠薬を服用して意識が朦朧としたようです。」
「………そう、、そんなことがあったの、、」
あの晩、何があったのか…
剛典さんが、慌てて帰った理由を。
「それで、会社の方はどうなるの?」
「…………」
「哲也、隠さずに言って。」
「健二郎の話だと…
今期限りで、契約を解除するようです。」
「………そう、」
私が、我儘を言ったせいね、、
彼女と会わないで欲しいと言ったから
剛典さんは、契約解除に踏み切った。
それが、どういうことか、私にだって分かる。
五十嵐に切られた会社に手を差し伸べるところなんてないに決まってる。
五十嵐に睨まれるのが恐いから。
五十嵐でさえ見限った会社を
他の企業が立て直せるわけないんだから…。
彼女の会社は、そう遠くない未来
……破綻する。
「姫、、
もともとの原因を作ったのは、彼女自身です。
剛典様が、御決断なさったのも
ビジネスだからです。
姫が気に病むことではありません。
早かれ遅かれ、同じ結果になっていたはずです。」
そうね、、
破綻の原因を作ったのは、彼女かもしれない。
……でも、本当に そうかなぁ。
本当に、そう思う?哲也…。
私が我儘を言わなくても
剛典さんは、本当に彼女を
見捨てたりしたかしら?
私はね、そうじゃない気もするの…。
「剛典様がお帰りになられましたよ。
もう、このお話は止めに致しましょう。」
今まで隠れていた真実を知って、
どうしても晴れないモヤモヤした気持ちを胸に、玄関へと 旦那様のお出迎えへと向かった。
「おかえりなさい、剛典さん。」
「ただいま、A」
そこには、屈託の無い笑顔があった。
「お腹空いちゃったぁー。
今晩、なんだって?」
「ビーフストロガノフだそうです。」
「あっ、じゃぁ、今夜はワイン開けよっか!」
腰に優しく回された手。
胸に刺さった棘がチクリと痛んだ。
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花(プロフ) - りょうちさん» そうなのー。今書いてるの書き始める前かなー?読み返してくれたんですね!ありがとうございます(*´▽`*) (2017年9月13日 16時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうち(プロフ) - 花さん!いつの間に更新してたのよー!嬉しいサプライズだよ(*^▽^*) (2017年9月13日 15時) (レス) id: e6319aab1f (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - らりるれろんさん» ありがとうございます(*^^*) (2017年8月31日 7時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - そうですよね(^^;臣隆のお話も読ませていただいてますよ(^^)楽しみです!あっ!遅くなってしまいましたがお子様お誕生日おめでとうございます*\(^o^)/* (2017年8月31日 4時) (レス) id: 4dde80cde4 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - らりるれろんさん» PowderSnowはもうこれで終わりです。 (2017年8月30日 17時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2016年11月19日 22時