Powder Snow 3 〜御曹司との恋〜

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カチャ…





小さな音を立てて、寝室の扉が開く。









今、何時なのかも分からない。
けれど、眠れなかった私は
ベッドの中で、彼が帰ってきたことに 安堵した。






真っ暗な部屋で、五感を使い
彼の気配を探って、

まっすぐに ベッドへと向かってくる 彼を感じ、キュッと目を閉じる。







ギシッ、

ベッドの端が揺れ、
ふわり、香ってきた香水の匂いが
私の胸を締め付ける。






チュッと頬を鳴らし
部屋の奥にある バスルームへと足を向けた、彼。






パタン、とバスルームの扉が 閉まる音が聞こえると、すぐにシャワーの 小さな音が聞こえ出した。





その音を確認して
ゆっくりと目を開ける。






あの人の匂いをつけて帰ってきた。
やっぱり、彼女と一緒にいたんだ。





でも、一番に、、
帰ってきて最初に 私にキスをしてくれた。





それは…？









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しばらくして、シャワーを浴び終わった彼が
ゴソゴソと私を起こさないように
ベッドへと入ってきた。





なんのためらいもなく、私の首の下に差し込まれた腕の感触に、涙が溢れ落ちそう









「…あれ？起きてたの？」








ギュッと、彼に抱きついたら
頭の上から声が降ってきた。








「ごめんね。遅くなっちゃって…」









「……どうしたの？
寂しかった？」








寂しかったよ、不安だったよ！
帰って来なかったらどうしよう…って
思った、、









ゴソッと ふたりの身体が動く。

落ちてきた唇の感触に
胸がキュッとなる。






言えない想いを キスに乗せて
彼の首に腕を絡ませた。







太腿を撫でる指先が 身体を露わにしていき、
重なった唇から 漏れ出す、吐息。








剛典さん…、

こうして抱いてくれるってことは、
彼女とは、今夜…何もなかったってことですよね？









「A…、」



「もっと、もっと呼んで…」









貴方が抱いてるのは、私だって…
肌で、声で、感じて。





他の誰でもなく、
私を抱いてるんだ、って…
私に分からせて。







私を、貴方でいっぱいにして。
他の何にも考えられないくらい 満たして。









不安が蠢く夜、
満たされない私は、執拗に彼を求めた。


求めても、求めても…満たされない、心。







零れ落ちる涙の雫を
彼は キスで絡め取ってくれた。








どこにも行かないで、剛典さん。








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