・ ページ6
「姫…、」
「あわ、…会わないよね？」
縋るように スーツの胸元を握りしめて
哲也の顔を見上げた。
お願い、哲也。
私の欲しい言葉を頂戴…
「……就任パーティーですよ。
奥様同伴ですよ。
……奥様と一緒に
帰られるに 決まってます。」
哲也は、眉を下げながら
私の髪にそっと触れ、撫でていく。
そうだよ…。
あの人が勝手に言ってるだけ、、
「こんなこと…
健二郎が許す訳ない、」
そう…
彼には、健二郎さんがついてる。
大丈夫、、
彼だって…、分かってる。
今夜がどんな日か…。
彼自身が 一番、分かってるはず。
「お化粧、崩れちゃった？」
会場に戻ろう。
何にもなかった顔をして…
それから、ゲストに挨拶をして
彼と一緒に帰ろう。
「…いいえ。
僕のメイク術を ナメてもらっては困ります。
海に飛び込んでも、崩れないようにしていますからね。
可愛いままですよ。」
ニコリと笑う哲也は、いつもの哲也で…
少し、救われた気持ちになる。
差し出された手を取って、
哲也とふたり、会場へと戻った。
・
「あれ？どこに行ってたの？」
暫く席を外していたからか、
彼は、心配顔。
「ごめんなさい…。
少し、足が痛くて…休んでたんです。」
「立ちっぱなしだったもんね。
疲れたよね。大丈夫？」
……普通。
いつもと変わらない、剛典さん…。
あの電話の名前は、聞き間違えだったんじゃないかな？って思うくらい、、
でも、それは…
パーティーが終わって、会場を出てすぐに
そうではなかったことを 思い知らされる事になる。
・
・
「……えっ、」
「ごめんね。
仕事で、これから人と 会わなくちゃいけなくなったんだ。
先に帰っててくれる？
なるべく早く帰るから。
広臣に頼んであるから、帰りは直人さんの車で一緒に帰るといいよ。」
「………。」
…会うの？あの人と、、
どうして？
呆然とする 私の視界の隅に、
哲也が 思いっきり、健二郎さんを睨みつけているのが見えた。
足元から スーッと血の気が引いていく…
そんな感じだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちごのポッキー(プロフ) - 花さん» なるほどです！返信ありがとうございます！わかってから読み返して、ほっこりしました笑 (2018年1月23日 17時) (
レス) id: e1d2cf54a4 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - いちごのポッキーさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます( ´∀｀) そのシーンはですね、直人さんがお嬢が可愛すぎるあまり独り占めしたくなる、みたいな流れですので、たぁくんも姫に対して独占欲というか、そういう 気持ちが芽生えてきたんでしょう。哲也に嫉妬もしてますしね？(笑) (2018年1月20日 23時) (レス) id: 9087a2b620 (このIDを非表示/違反報告)
いちごのポッキー(プロフ) - この作品、大好きで読み返していて、疑問ち思う事があったので、今更ながら質問です笑 純恋ちゃんが産まれた病院の帰り、たぁくんが「直人さんの気持ちがわかった」的な事を言っていますが、具体的にはどういう事なんでしょうか？ (2018年1月20日 23時) (レス) id: e1d2cf54a4 (このIDを非表示/違反報告)
smiley(プロフ) - えー（ーー；） でもでも！私が成人するまでには戻ってきてくださいよ！成人したら一緒にお酒飲んでくれるっていったもん(*｀へ´*) (2016年11月21日 18時) (レス) id: ce4b5cd274 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 恵理さん» そうなの！？なんかー、もたもたしてたら開演10分前とかでぇー、急いでグッズ売り場に行きましたw (2016年11月21日 17時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花
| 作成日時：2016年9月25日 20時
