Powder Snow 2 〜御曹司との恋〜

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梅の花が 綺麗に色づいた庭先で
楓くんと ボール遊びの途中、








「姫、剛典様からお電話です。」




庭に降りてきた哲也の手には、
私の携帯電話と、封筒が握られていた。








『…僕だよ。悪いんだけど、会社に 書類を届けてくれないかな？
書類はもう、哲也に頼んであるから。

こっちへ来たら、一緒に昼食を取ろう。
何が食べたいか、決めておいて。』







忘れ物と、ランチのお誘い。








「お顔が緩んでますね。」



「……そんなことないわよ。
着替えてくる。」






僕も行きたい、とゴネる楓くんを
直己さんは 一生懸命なだめて、
今にも泣いちゃいそうな顔の楓くんに見送られて車に乗り込んだ。









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会社には、ほとんど来たことはない。
用事もないから。






綺麗な受付嬢に見送られて、
エレベーターへと乗り込む。







部屋の前に来ると、副社長秘書が中へと案内してくれた。







「ごめんね。迷惑かけちゃって。」




中身を確認している 剛典さんが
顔を上げた。









「気にしないでください。」


「お昼、何にするか決めてきた？」


「お義姉さんに 湯葉の美味しいお店を教えていただいたんです。」









「あぁ…あそこね。
じゃぁ、あともう少ししたら出れるから
待っててくれる？」







書類を持って部屋を出て行った、剛典さん。

剛典さんが 帰ってくるまでに、
お化粧でも直そうと、御手洗いへと席を立った。








パウダールームで、
下唇にリップを塗っていると、

午前の業務が終わったのか、
パーテーションの向こう側の
個室や手洗い場に、人の気配がする。








「若奥様、お見えになってるって。」



ドキッとして、口紅を塗る手が止まる。









「あまり会社の方には来られないのに、、」


「専務のところみたいに おしどり夫婦じゃないんじゃない？」



「やっぱり、あの噂…本当なのかしら？」








………噂？









「副社長が不倫なさってたのが、
社長にバレて、別れさせられた挙げ句、
お見合いさせられた、って話！」








……………。








「副社長は、渋々 お見合いしたって話だし、あまり夫婦仲、よろしくないのかもしれないわね。」





「聞いた？その相手！

なんと、あの『美原 響子』らしいわよ？
確かに色気のある 綺麗な人よね。」






「それは、太刀打ちできないわね。」







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