Powder Snow〜御曹司との恋〜

Dry monsoon. ページ16

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なんとなく、
朝から、体調が悪いのは 感じていた。






ボンヤリしていた頭は、
今はズキズキと痛み、
寒気さえしてきている…。







昨日、お風呂でキチンと温まりきれなかったのかな…。







全然、内容が入ってこない頭で、
ぼぅっとしながら、点きっぱなしのテレビを眺めるだけ。








『今日のゲストは、
最近、テレビに引っ張りだこな、
カリスマおネェ スタイリストをお迎えして
お送りいたします！』









「若奥様、おやつの時間ですよ。」




「あ、…ありがとうございます。」




「……また、敬語に戻ってます。」






今は、隆二さんとふたり。

午後から、お義姉さんは健診らしく、
直己さんと病院へ行かれた。









『あの、【三丁目JSブラジャーズ】のスタイリストをしていた、ELLYさんです！』









「あれ？……若奥様、
…もしかして、体調がお悪いんじゃないですか？」






「………平気、です。
少し、疲れたのかな？
横になってれば、すぐに直ります。」








「………ダメですよ。
すぐに病院に行きましょう。

俺が、車出しますから。」









そんな…、
夕飯の準備もある彼に
迷惑を かけるわけにはいかない。









「本当に、大丈夫…、」


「…ほら、熱があるじゃないですか！」









しゃがみこんだ彼は、
私の額に 手を当てて、めっ！って顔をした。









「………でも、」




「いけません！
お身体は大事にしてください。

…それにね、この家には、
小さな子供と、妊婦がいるんです。

うつすわけには、いかないでしょう？」







「……………」









………そっか、そうだよね。

妊婦さんは、お薬が飲めないはず。
それに、まだ幼い 楓くんに
うつっちゃったら…大変。









コクコクと頷いた私に、









「では、病院に行きましょう。
お薬を貰って、早く治しましょうね。」






そう言って、目を細めて笑った後、
車、回して来ます！と言って立ち上がった。








『やだ、下世話ぁー♡
一般の人だからぁー、内緒よ、内緒♡』







彼女の方が、よっぽど 私より
幸せそうだなぁ、なんて思いながら
テレビの中の、カリスマおネェに 別れを告げて、隆二の後を追う。

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