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カポーン。
軽快な鹿威しが鳴り響く料亭。
「青柳 翔 と申します。」
お見合い相手が自己紹介を始めた。
上の空でそれを聞きながら
考えるのは、直人さんのことばかり。
翔「…Aさん。
ご趣味はありますか?」
大人の雰囲気が香る彼は
直人さんより少し年上くらいだろうか。
A「お茶とお花の
師範免許を持っています。」
直人さんとは違う 雰囲気の彼には
私の心はうんともすんとも音を立てない。
私は彼を好きになれるんだろうか。
一緒に暮らせば…何か変わるんだろうか。
『後は若いお二人で。』
ドラマのような台詞を言って
直己を残して誰もいなくなった。
本当にそんなこと言うんだ…。
可笑しくて少し笑えた。
翔「お庭に出てみますか?」
A「………はい。」
草履を履く時に 差し出された手のひら。
あぁ。彼も紳士なんだな、そう思った。
翔「……Aさんは
お付き合いしている方が
いらっしゃるんですか?」
A「…………いいえ。」
翔「……じゃあ。
お慕いしてる方がいらっしゃるんですね。
…………とても、、
浮かない顔をされてるので。」
A「……翔さんは、
そういう方はいらっしゃるんですか?」
翔「…僕ですか?
………そうですねぇ。
僕も貴女と一緒で、
自分の意思では結婚できない人間なので、
特定の女性は作らないようにしてるんです。
………辛いじゃないですか。
一度 好きになってしまうと。」
A「………正直な方なんですね?」
含みを持たせた言い方…
嘘をつけばいいのに…
翔「僕と貴女は 同志ですね。
上手くやっていきましょう。」
A「………………」
見上げた空を見て、
『良い天気ですね。』と彼が言った。
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花(プロフ) - モンちゃんさん» えー!!ありがとうございます!(*´▽`*)嬉しいなぁー(o´艸`) (2017年1月8日 20時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
モンちゃん - もう5回は読み返してます!本当に面白いです!こんな神作品ありがとうございます!!! (2017年1月8日 20時) (レス) id: 9e3f92db11 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - はるさん» ありがとうございま〜す(*≧∀≦*) (2016年10月31日 10時) (レス) id: 7824eede86 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 今から2回目読み返しまーす!楽しみで仕方ありません(><) (2016年10月31日 8時) (レス) id: e0948c858b (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - よっしいさん» ありがとうございます〜♪(´ε` )読み返し、嬉しいな! (2016年9月19日 14時) (レス) id: 786bbe97ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2015年10月30日 20時