どんな仕事? ページ19
「やっくんどうしたらいいと思うよ?」
「お前少しは考えてやれよ」
「協力シテクダサイ〜」
私のせいで先輩に迷惑が掛かってしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
次の練習はフットワークをやるようだが、私はフットワークで何ができるのだろう。
そもそもフットワークを機械的にそのままメモしてしまったが、フットワークが何かを私は知らなかった。
「次の練習でやるフットワークってどんなものなんですか?」
「次フットワークなのか…あ、」
夜久さんが何かに気づいたらしく、私の方を向くと
「そういうことをしたらいいんだよ」
と言った。
今自分が何をしたかよくわかっていないので私の頭上は「???」な状態だ。
それを察して夜久さんが解説をすぐに加えてくださる。
「次の練習はこれ、とかスケジュールを教えてほしいな」
なるほど、スケジュール管理。これいかにもマネージャーといった感じの仕事内容だ。
「さっきの質問だけど、フットワークっていうのは脚の筋力を中心に瞬発力とかを鍛えるトレーニングだよ」
海さんが丁寧に私の質問に答えてくれた。
脚の筋力を鍛える、言葉ではなかなかイメージしづらいものだ。
脚を鍛えると聞いて私の乏しい想像力で思い浮かぶのはスクワットくらいだった。
「んじゃフットワークの時にスターターをお願いしようかな」
「あーいつも黒尾がやってるもんな」
黒尾さんの声でやっていたスタートを突然私の声にしてしまうと調子を崩すだろうから、低めの声を出しましょうかと言ったら、めちゃくちゃ笑いながら断られた。
結局スタートは声を使わす、笛で行われることとなった。
笛は赤い色だった。男バレジャージと同じ、真紅。
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作者名:餃子 | 作成日時:2018年11月20日 21時