検索窓
今日:20 hit、昨日:11 hit、合計:57,469 hit

ページ36

返信が来るまで参考書とパソコンのモニターを交互に見る。
数分同じことを繰り返しているとAさんが書き込んでいると思われる表示が。


深夜のお供のコーヒーをひと口飲んで落ち着かせる。
どんなテストよりも緊張してしまう。


[ A:夜中だけど良いの?つるちゃんが良ければ私も通話したい! ]


思っていたより嬉しい返信が届き、持っていたシャーペンを空中に投げつけていた。
目の前にある公式なんてスッと頭に入ってきそうだ。


そして急に襲いかかる不安。
Aさんの年齢等は把握しているが、Aさんには僕の年齢を言っていない。
高校2年生、17歳。彼女はいない。
参考書と数学がお友達…でもないけど。


引くかな?
22歳から見たら僕なんてお子さまなんだろうな。
身長だけは大人クラスなんだけど。


[ つる:僕は大丈夫です。いつでも通話可能なのでAさんのタイミングでかけて下さい。]


返信してからあまり使うことの無かったヘッドセットを取り出す。
いつでも通話可能にしておく。


顔を知らない人と話すのは初めてだ。
張り裂けそうな気持ちを抑えるように数学と向き合うも、出来てたはずの計算が上手くいかない。


なんてこった。
こんな簡単な計算も暗算出来ないなんて。
僕の中はAさん一色に染まっていた。


そしていきなり鳴り出す通話受信音。
久しぶりに聞いてビクつく。
マウスを手にして通話開始ボタンをクリックする。






.

◇→←◇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
167人がお気に入り
設定タグ:QuizKnock
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*ゆ う* x他3人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年3月14日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。