空に架かる ひこうき雲 trsk ページ34
これは私がまだ東大に入学する前の出来事。
高校2年の冬。生徒たちも先生方もピリピリしだす。
先輩たちは受験真っ只中で次は私たちの番だと教えてくれる。
机に向かっていつものように勉強をする。
起動しているパソコンから流れてくるラジオを聴きながら眠気覚ましのコーヒーを飲む。
優雅な真夜中の日常である。
ここまでは。
パソコンを起動したと同時にログインしているSkypeに通知が来る。
知らない人だな。
どうやって僕のIDを?
好奇心旺盛だった僕は追加申請を許可をしてメッセージを打ち込む。
相手もすぐ返信してくれる。
[ つる:こんばんは。]
[A:あれ?つるちゃんだよね?私、高校の時一緒のクラスだったAだよ!この前友達からつるちゃんもSkypeやってるって聞いてID検索してみたの!]
悪いけど全く身に覚えが無かった。
多分IDが似てたんだろうな。
それを間違って入力して検索したんだ。
ネットではよくあること。
Aさんのプロフィールを確認する。
宮城県に住んでいて女性だという事が分かる。
誕生日も丁寧に書いていて、生年月日を見るに5つ年上みたいだ。
「人違いですよ」と言えば終わりに出来た。
だけど私はどうしても会話を広げたいと思ったんだ。
[ つる:もし良かったらチャットしましょう。お話がしたいです。]
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作者名:*ゆ う* x他3人 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月14日 6時