エッグハント kwmr ページ30
『ぴょんたろう来たー』
彼女が最近とあるゲームにハマってるらしい。某たぬきにつぎつぎと借金を作らされるという森のゲームだ。
そう言えば去年の自粛中にQuizKnock内でも流行ってた気がする。まあ楽しそうで何より…ただ僕にも構って欲しいなと思うわけなんだけど…彼女の興味を引きたくてゲームに興味を示す振りをする。
「ぴょんたろうって?」
『ん?イースターのイベントで島にやってくるウサギ?』
彼女がそう言いながらゲームの画面を見せてくる。こいつウサギじゃないだろ。明らかに背中にファスナーが付いてるんだけど?
「着ぐるみじゃん」
『えーそれは言っちゃいけない秘密だよ?』
シーっと人差し指を唇に当てる彼女、何だかノリノリにゲームキャラまでも楽しんでいる、僕はそれが面白くなくて意地悪なことを言ってしまう。僕の悪い癖だ。
「こうもファスナーを見せつけられると下げたくならない?」
『そ、それはダメだよ。子供たちの夢が!』
「きっと子供たちもファスナー下げたいって思ってそうだけどな」
『もうどうして拓哉君はそういうことばかり言うかな?』
頬を膨らませて怒っている彼女に悪戯心からほっぺたをつつく、すると口からぷふぅ〜と空気が漏れた。思わず笑う彼女。
『もう仕方ないな〜』
ゲームを終了させてゲーム機をテーブルに置いた。僕に向き直ってくれる。
『拓哉くんなんですかー?構って欲しいの?』
「正解ですよ」
『そんなに私のこと好きなんだ〜』
ニヤニヤしながら僕の右腕に抱きついてくる。そうですよ、好きな彼女には構って欲しいんです。
「A?」
『なに?』
「イースターってどんな行事か知ってるの?」
『いきなりそう来たか…んー復活祭だっけ?イースターエッグ探すよね、あれどうして卵探すんだろう?分からない拓哉先生教えてください』
ラグの上に正座に座り直して手を付いて教えてくださいと頭を下げる。そこまでしなくてもと思うけどAのそういうノリが僕は好きだなって思う。
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作者名:*ゆ う* x他3人 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月14日 6時