【QK】春が来るたび貴方に逢える【コラボ企画】 (ページ13)

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今日は日曜日珍しく昼間にこの公園にいる。本屋に行ったら《さくら》と言う本が目に入った。本屋大賞ノミネート作品らしい。桜を観ながら《さくら》を読む。そしておやつの桜餅。なかなかの桜尽くしじゃない？でもここに桜の紅茶があれば完璧だった！生憎切らしていたのでコンビニで買ったペットボトルのジャスミンティーだ。

昼間の公園だから小さい子を連れたお父さんやお母さん。賑やかに遊ぶ小学生たち。いつもの感じとは少し違うけど楽しい雰囲気も素敵だね。

ああでも桜の下で本を読むのは失敗だったかも？ゆらゆらと舞い散る桜の花びらが本に挟まる。これでは本が汚れてしまう。気持ちの良いお天気だからここにいたいけど帰るしかないか、いや本を読まなければ良いのだろうけどね。

でもこの本、少し読んだら世界観に入り込める不思議な感じのお話で普段あまり本を読まない私だけどこの本は好きかもしれない。このまま最後まで読みたいから家に帰ろうかな？公園を出たところで走ってきた人の鞄がぶつかった。

「ごめんなさい、急いでて……あれさく、ら…」

『いえ大丈夫です。さくら？ああこの本貴方も読むんですか？まだ少ししか読んでないけど素敵な本ですよね』

ぶつかった彼は私を見て驚く。さくらって呼んだからこの胸に抱いてる本のことだろうと表紙を彼に向けた。学生さんっぽく見える男の子。そんな子もこの本を知っているということは人気のある作品なのかな？まあノミネートされるくらいならそうなんだろう。まだ目を丸くさせている彼に向かって会釈して家路につく。

『それじゃ失礼します』
　
　