桜の木の下で… ymmt ページ12
この春から私は新社会人として働く。実家からは遠いので初めての一人暮らしをスタートさせたところだ。
マンションの内見のときに目をつけていた近所の公園。シンボルのように大きな桜の木があった。私は桜が大好きなのだ。
仕事が始まったらのんびりも出来ないから入社するまでの間、この桜を観ながらのんびりしようと思っている。
コンビニで買った缶ビールにちょっとしたおつまみ。夜の静かな公園で1人夜桜を楽しむ贅沢な時間。毎日晩酌しているわけではないが桜が咲き始めてからだんだんと咲き誇っていく様子が感じられてとても素敵な時間。
入社する会社、仕事への不安もあるけどこの時間があるからそこまで不安に駆られることもない。大好きな桜を観ていると何とかなるって思っちゃうからかな?
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仕事が終わって帰る時間。駅から自宅までをのんびりと歩く時間が好きだ。その日のクイズの反省だったり仕事のミスだったり楽しい仕事のことだったり色々なことを考えられる。
春の季節。桜が咲き始めた頃にその時間が変わろうとしてた。近所の公園でベンチに座り1人夜桜を眺めながら飲んでる女の子がいた。飲んでると言っても公園の出入口の前からだとお酒かどうかは分からない。でも楽しそうだしきっとお酒飲んでるのかなと思う。
1人で飲んでるのが気になった。防犯的に危ないんじゃないかなって思う。かといって僕が注意しに行くのもちょっとあれだよね。
今日も飲んでいるのかな?と考えながら公園の通りにでる。ちらりと公園内を確認する。ほら今日も彼女はいた。いつものようにベンチに座り飲んでいる。嬉しそうに桜にスマホのカメラを向けていた。
きっと桜が好きなんだろうな…僕はこっそり彼女のことを"さくらちゃん"と呼んでいた。誰?いま安直だなって思ったの、いいでしょそんなの僕だって分かっているんだ。
帰宅時間のこの考える時間がいつしかさくらちゃんのことを考える時間になってしまったのはどうしてなんだろう?本当の名前も知らないどんな子かも分からないのにね。
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作者名:*ゆ う* x他3人 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月14日 6時