もやっと ページ34
.
2人が何を話してるかなんて聞こえない。でも、阿部ちゃんが優しく、背中をポンポンとしていて、視界がぐらついた。
深澤先輩の、大丈夫？なんて声に反応もできない。
『…何もないって言ってたのにな』
深澤「男と女なんてそんなもんでしょ」
『深澤先輩は彼女いてもああやって背中ポンポンする？』
深澤「えー俺はするー」
『……嫌い』
深澤「嘘じゃん！？ノリじゃん！？」
場を和ませようとしている深澤先輩にも八つ当たりして、阿部ちゃんのこと信じてる気持ちとそうじゃない不安な気持ちと。
なんかごちゃごちゃになって苦しい。
『……図書館行く』
深澤「ん。阿部ちゃんに伝えておこうか？」
『良いです。今日別に授業一緒じゃないし』
完全に不貞腐れた私は図書館に行って、不貞寝をすることにした。だって授業までも時間あるし、阿部ちゃんにも会いたくないもん。
ブーブーなってるスマホの電源を落として、窓際の1人席でぼーっとする。
『……阿部ちゃんに会いたくないなぁ』
ぽつりと呟いた言葉は誰に届くわけじゃなくて。気付けばそのまま本当に寝ていて、起きたら肩に見覚えのあるパーカーがかけられていた。
『…………目黒くん？』
見渡しても目黒くんはいなくて。声をかけられそうな知り合いもいない。
パーカーを抱えて立ち上がると、ふわっと持ち主の爽やかな香りがした。寝たおかげか、この優しさのおかげか。さっきまで抱えていたモヤモヤもちょっとなくなっていた。
「あ、サボり発見」
図書館を出て中庭に向かって歩いていると、聞き慣れた声がして。振り返らなくても阿部ちゃんって分かる。本当に恋って盲目。
『ちょっと寝過ごしちゃっただけだもん』
「そ？昨日めっちゃ寝てるから眠くないはずじゃん？」
『……不貞寝です。不貞寝。誰かさんの嫌なところ見たので！』
「…………え、俺？」
阿部ちゃんの、この、え？みたいな。全然悪いことした覚えないです〜みたいな顔。結局かっこいいから許してしまいそうになるけど、絶対私は今日は折れないんだから。
『阿部ちゃん、私怒ってるんだからね』
「俺何かした？」
『自分でよーーく考えて！』
思わず持っていた目黒くんのパーカーを投げつけてしまって、それに気付かず帰った私。
…今日何しに学校行ったんだ、私
.
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←後輩だって権利はある
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2946人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めい - 久々に一気読みしていましたら読んだことない話が出てきて更新されている！？とびっくりしました😭一番好きなお話なのでとても嬉しいです！！楽しみにしています💕 (12月28日 2時) (
レス) id: 0423638b58 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよまる(プロフ) - なのさん» ありがとうございます💗また更新頑張ります！！！ (2022年8月25日 9時) (レス) id: 3d5748822f (このIDを非表示/違反報告)
なの - も、もう興奮しすぎて死にそうです (2022年8月9日 22時) (レス) @page17 id: 1073bf0d00 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよまる(プロフ) - すぅさん» ちょっとバタバタしていて下書きだけは溜めていたので、編集して更新していきます✨☺️お待たせしました！！！ (2022年6月2日 19時) (レス) id: 4d9437c027 (このIDを非表示/違反報告)
すぅ(プロフ) - わわ！！もう更新されないのかと思ってました…嬉しいです！！楽しみにしています❤️ (2022年6月2日 19時) (レス) @page16 id: ac53ba19d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴよまる
| 作成日時：2022年4月19日 11時
