告白 ページ27
.
「ちょっと待てよ」
掴まれた腕にさらに力が入って、阿部ちゃんの逃さないぞっていう思いが伝わってくる。
自分の気持ちがぐちゃぐちゃすぎて、早く1人になりたかったのに、それは叶いそうにない。
「それ本気で言ってる？」
『…言ってるっ、！！』
阿部ちゃんが怒ってる声をしていることが分かったから、全く顔を見る勇気がない。だって怖いんだもん。
「俺の中でAは特別って言ったはずだけど」
『…でもっ、』
「そんなに信用ないの？俺の言葉って」
じりじりと距離を詰められて、壁と阿部ちゃんに挟まれている。
鼻先だってくっつきそうなくらい近くて、さっきまで怒ってもやもやしていたくせに、やっぱり阿部ちゃんかっこいいなってチョロすぎる自分が嫌になる。
『阿部ちゃん、っ好き、だいすき、』
「………俺も好き、です」
ふわっと抱きしめられて、阿部ちゃんのにおいに包まれる。
「…付き合ってくれますか？」
『っ、うん！』
自然とお互い力が強くなって、ぎゅっと抱きしめ合う。阿部ちゃんって細いくせに意外と筋肉あって、やっぱり好き。
「…これでやっと手が出せる、笑」
『え？何？』
「いやこっちの話」
阿部ちゃんの言葉にきょとん、としていると、阿部ちゃんのゼミの人が数人入ってきて、慌てて奥の部屋に連れて行かれる。
「あいつら帰るまでここにいて」
阿部ちゃんはどうやらゼミ生を追い出すつもりらしい。適当な話をしては出ていくよう仕向けている。
男「あ、そうだ。阿部ってAと付き合ってんの？」
女「私も噂聞いたー！」
「……Aって呼んでんの？」
思わず、そこ！？って突っ込みそうになった。声も出そうになって、自分の手で口を押さえる。
男「あ、いや授業とか被ってたから、つい、」
女「で！どうなの！気になる！笑」
ちょっとだけ無言の時間が流れるから、また不安になる。今日は情緒がジェットコースター。
「うん。付き合ってる。だから呼び捨てすんな、笑」
『〜〜〜〜っ！！』
なんだそれ。なんだそれっ！！！
ゼミ生「えー！おめでとう！やっとじゃん！長かったね！」
「っば、おい…っ！！！」
………やっと？
妙に慌てる阿部ちゃんの様子にも？？？が浮かんだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2946人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めい - 久々に一気読みしていましたら読んだことない話が出てきて更新されている！？とびっくりしました😭一番好きなお話なのでとても嬉しいです！！楽しみにしています💕 (12月28日 2時) (
レス) id: 0423638b58 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよまる(プロフ) - なのさん» ありがとうございます💗また更新頑張ります！！！ (2022年8月25日 9時) (レス) id: 3d5748822f (このIDを非表示/違反報告)
なの - も、もう興奮しすぎて死にそうです (2022年8月9日 22時) (レス) @page17 id: 1073bf0d00 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよまる(プロフ) - すぅさん» ちょっとバタバタしていて下書きだけは溜めていたので、編集して更新していきます✨☺️お待たせしました！！！ (2022年6月2日 19時) (レス) id: 4d9437c027 (このIDを非表示/違反報告)
すぅ(プロフ) - わわ！！もう更新されないのかと思ってました…嬉しいです！！楽しみにしています❤️ (2022年6月2日 19時) (レス) @page16 id: ac53ba19d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴよまる
| 作成日時：2022年4月19日 11時
