バチバチ ページ19
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▷阿部side
大学生になって、初めて自分から目で追うようなそんな人に出会った。その人は誰にでも優しくて、明るくて。俺には近づけないようなそんな相手だった。
『阿部ちゃんっ！！！！すき！！！』
「はいはい」
いつからだったかは覚えてないけど。でも覚えているのはたまたま授業で横に座って、教科書を忘れたその人に俺が話しかけたのがきっかけかもしれない。
いつでもその人は全力で自分の気持ちを伝えるのに、俺はいつだって素っ気なくて。素直になれなくて。
『阿部ちゃんって何でそんなにかっこいいの？』
「は？」
嬉しかったり照れたり、忙しい感情があるのに、口から出るのはいつも真反対の言葉で。それでもその人は笑顔で俺の近くにいてくれるから不思議でたまらなくて。
岩本「阿部さぁ、お前いい加減ちゃんとしろよ」
「……え、してない？」
岩本「ぜんっぜん！てかAと何あったんだよ」
「………内緒」
俺にしては勇気を出して踏み込んでみた昨日も、結局は中途半端なままなわけで。これじゃあ都合の良い男に成り下がってるよな〜って。
岩本「お前ら何なの？本当に。こっちの身にもなれよ」
「ごめんごめん。笑」
照の言いたいことも良く分かるし、照の気持ちも痛いほど分かる。俺の気持ちも照が抱えてる気持ちと一緒だと思うから。
「てかAのゼミ室って何階だっけ」
岩本「4階。エレベーター降りたらすぐ右の3つ目」
「さんきゅ。ちょっと行ってくる」
岩本「はいはい」
用事はない。でも何となく、また顔が見たくなって、エレベーターに向かう足が早歩きになる。
エレベーターでふっかに出くわして、お互い気まずい。じゃあなってそのまま別れれば、また自然と足が早歩きになる。
「あれ、康二」
向井「……阿部ちゃん」
「顔真っ赤だけど…」
向井「っ、や！うそやん！？」
康二、あやしい。まぁでも、触れない方が良いこともあるか。
「…………いた、笑」
ゼミ室のソファに溶けたように横になるその人は、何とも言えない愛らしさを醸し出していて。ついつい近くに置いてあったブランケットをかけてあげたくなった。
『…阿部ちゃん、』
一瞬起きたのかと思ったけど、全然起きる素振りはない。そう俺だよ、と言いたい気持ちが芽生える。
何だこの、愛らしい生き物は。
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めい - 久々に一気読みしていましたら読んだことない話が出てきて更新されている！？とびっくりしました😭一番好きなお話なのでとても嬉しいです！！楽しみにしています💕 (12月28日 2時) (
レス) id: 0423638b58 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよまる(プロフ) - なのさん» ありがとうございます💗また更新頑張ります！！！ (2022年8月25日 9時) (レス) id: 3d5748822f (このIDを非表示/違反報告)
なの - も、もう興奮しすぎて死にそうです (2022年8月9日 22時) (レス) @page17 id: 1073bf0d00 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよまる(プロフ) - すぅさん» ちょっとバタバタしていて下書きだけは溜めていたので、編集して更新していきます✨☺️お待たせしました！！！ (2022年6月2日 19時) (レス) id: 4d9437c027 (このIDを非表示/違反報告)
すぅ(プロフ) - わわ！！もう更新されないのかと思ってました…嬉しいです！！楽しみにしています❤️ (2022年6月2日 19時) (レス) @page16 id: ac53ba19d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴよまる
| 作成日時：2022年4月19日 11時
