蓮くんのミス ページ3
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康二「めめ、今日はミスったな」
「めっちゃ後悔」
俺には毎日欠かさずやらなければならない任務が、いや責務がある。
康二「めっっっちゃ、Aちゃん嬉しそうやけどね」
「……今すぐ破り捨てたいあの手紙」
そう、それは、Aあてのラブレターを抹殺することである。
「まじで今日はミスった。あー、もう嫌だわ」
康二「まぁそういう日もあるよな」
Aとは幼馴染でも何でもない。
中学校の時に出会って、俺が懐いてそのままくっついてる。
家も徒歩5秒(ちょっと盛った)だし、Aのお兄ちゃんとも仲良いし。
「俺ラブレター以上に毎日求愛してんだけど、全然気づかないからね？」
康二「もう家族やと思われてるわ、それ」
兄が兄なら、妹も妹、って感じで超美形。
でも妹は何も気付いてない。
ウルトラスーパーはちゃめちゃに自分がモテることを。
「待って？Aどっか行ったんだけど」
康二「手紙で呼び出されたんかな？」
「俺もう無理生きてけない。探してくる」
康二「ちょっ、めめぇっ！？」
ラブレターを毎日抹殺していたおかげで、わるい虫もつかなかったのに。
今日の凡ミスのせいで、わるい虫が付いてしまうかもしれない。
「っ、A！！」
『わっ、蓮くん…！』
見つけた背中に思わず抱きつく。
俺が抱きつくことはもう日常茶飯事だから、こいつも慣れているけど。
「今、蓮くんって言った」
『…………たまたま』
「もう一回言って？お願い」
2人きりの時しか、蓮くん、って言わないくせに。
いつもなんか目黒蓮って言うくせに。
まじでこいつ俺のこと振り回す。
『……何か急いでたの？大丈夫？』
「…………はっ！」
『…大丈夫じゃなさそう、笑』
名前を呼ばれたことに感動しすぎて、ラブレターの存在をすっかり忘れていた。
「A！！呼び出しは行くなよ！？」
『…まず呼び出されてないよ？』
ちょっとだけ冷たい目をしてきたけど、その顔もその顔でかわいい合格。
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作者名：ぴよまる
| 作成日時：2021年2月26日 12時
