佐久間くんが、すぐ噛んでくる

佐久間いきます ページ39

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阿部さんというやつは、意外といいやつだった。しかも照と知り合いだったというまさかの展開。



　

「へぇ〜、阿部ちゃんって頭良すぎな！」

阿部「そんなことないよ。笑」

「俺そんなの知らなかった！！」

『ふふふ、』






気付けば、阿部さんから阿部ちゃんに呼び方が変わり、阿部ちゃんと友達になる。


Aちゃんが、阿部ちゃんの話を聞いて、にこにこしてるのはちょっと嫌だけど。






「今度、照たちと飲みにでも行こう！！」

阿部「もちろん！楽しみにしてるね」







なんだ、阿部ちゃんって結構良いやつじゃん。

しかも、まぁイケメンであるかな。






阿部「あ、Aちゃん、連絡先消さないでね。また連絡するね」

「っ……！！今すぐ連絡先消せーっ！！！」

阿部「あははっ」






前言撤回！やっぱりやだ！！やだやだやだ！
何でAちゃんも笑ってるの！？






『佐久間くん、私、離れないから大丈夫だよ？』

「……っ、え、」





阿部ちゃんに対して威嚇していると、横から、ぐいっと顔を掴まれて、Aちゃんの方を向く。


いつも外じゃこんなことしないのに、唇がくっつきそうなくらい顔を近づけてくるAちゃんに、まだ免疫がない。





「っ、それは、もう、反則…」

阿部「佐久間くんやられてるね笑」

『もう、佐久間くん帰るよ！阿部くんまたね！』

「………うん、ばいばい…」








やっぱりかわいすぎるから、心臓が苦しいし、何よりもう早く家に帰りたい。Aちゃんを連れて。


もう、早く家でいちゃいちゃしたい、仕事したくない。






『佐久間くん、』

「ん？」

『……早く仕事終わらせて、早く帰ろうね』







ほらもう、ずるいでしょ。
これだから、すきが溢れて仕方がないんだよ。






「………っ、Aちゃん、」








信号が青になって歩き出すAちゃんの名前を呼んで、それと同時に手を引く。






「………すき」

『っ、なっ……』







振り返った瞬間に、唇を奪う。
いいの、人が見てるとか見てないとか。

もう、俺が好きなようにするから。






『や、見てるよっ….！』

「いいの。だまって」







顔を真っ赤にして恥ずかしがるAちゃんの、かわいいかわいい耳に噛み付く。

びくん、となる姿も、全てが愛おしい。





「やっぱり、俺Aちゃんの耳すき」





前と違うのは、耳を噛む俺をちゃんと受け止めてくれること。


うわぁ、彼氏、っていいな。

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