根に持つタイプ? ページ27
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「っん…、Aちゃん、結構大胆だね」
『………うるさい』
「あ、まだ俺し足りないから」
『やっ、……んんっ!』
ふと、我に返って、目をぱちっと開く。
佐久間くんも静かに目を開けて、にやりと笑う。
「こんな日もう来ないかもって、思ったら、今ちゅーしとかないとって思った」
佐久間くんの声が、心地いい。
佐久間くんの触れる手が、心地いい。
「Aちゃん。俺ね、さおりちゃんと何もないよ。ぶつかっちゃって、コーヒーかけちゃって。やけどしてるかもって思って、腕冷やそうとしてた」
「さおりちゃん手も汚れてたから、俺が袖捲るしかなくて。そしたら、Aちゃん見ててびっくりした」
さおりちゃん、翔太のこと好きなんだよねぇ、
なんて個人の恋愛事情が筒抜けになってて、ちょっと面白くなって笑ってしまった。
「だから、勘違いさせちゃったのなら、ごめん」
『……佐久間くんが、やけどしたのかと、思った』
「俺めっちゃ元気!っていうか、翔太とふっかがAちゃんに絡んでたから、そもそもあいつらが悪いと思うんだよね俺は」
さっきまで、甘い雰囲気だったはずなのに、佐久間くんは今回の事件は、渡辺くんと深澤くんのせいだとぷりぷり怒りだした。
きっと根に持って、しばらく、きゃんきゃん言ってるんだろうなって想像がつく。
「Aちゃん、俺、Aちゃんにちゃんと言わないと」
『………うん』
「俺ね、Aちゃんのこと、」
ブブブブ、とどちらかのスマホが鳴る。
あ、佐久間くんのだ。うわ、すごい嫌そうな顔してる。
「あぁ〜、もう、ふっかだ」
『仕事かもよ?でも、もう遅いか』
「出るかぁ〜」
電話切れないかな〜と言いながら、まだ画面を見つめている佐久間くん。
「………はぁ。ちょっと、ごめんね」
「これならちょっとは電話してもいいかなって思える。笑」
電話のせいで離れた2人の距離が、また近づく。
佐久間くんの片腕が伸びてきて、そっと引き寄せられる。
「しー、だよ。Aちゃん」
私を抱きしめたまま、深澤くんと電話をしだす佐久間くん。
耳元で深澤くんの声が聞こえる。
深澤「Aちゃんどこにいるか知らない?」
佐久間「…知らないし、一生ふっかには教えてやらない」
ほら、やっぱり根に持ってる。
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ぴよまる(プロフ) - たまきさん» たまきさん、素敵な言葉をありがとうございます◎岩本さんのお話は、佐久間さん内でしょうか?それとも別物でしょうか?もしご希望あれば教えてください♪ (2021年2月4日 18時) (レス) id: c96c855ee5 (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 完結、おめでとうございます!そしてお疲れ様です!とても面白くて、毎回更新されるのが楽しみでした。もしよろしければ、岩本さんのお話も書いていただきたいです!ご検討よろしくお願いします。 (2021年2月4日 11時) (レス) id: bb8fb0fba1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよまる(プロフ) - りーぬさん» 嬉しいです…ありがとうございます◎番外編などなど、書いていこうかなぁと準備しています♪ (2021年2月1日 20時) (レス) id: c96c855ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよまる(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます◎どんなお話、シチュエーションをご希望ですかー!?書く準備進めています! (2021年2月1日 20時) (レス) id: c96c855ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよまる(プロフ) - NORIさん» ありがとうございます…!その後はどんなお話が読みたいでしょうか?(^^)書く準備すすめております〜◎ (2021年2月1日 20時) (レス) id: c96c855ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよまる | 作成日時:2021年1月22日 11時