All the beginning 7 ページ7
「おい、何しに来た」
「ひどない?俺は通りすがっただけやって。なんやなんや、ムキになるやないか!やましいことでもあるんか?」
そう言いながら抱えているAへ視線を送る。
ジュンタは舌打ちをすると、Aを腕の中に押し込め、腕で耳をふさいだ。
花の香りが再びAを包む。
不安そうにジュンタを見上げると、大丈夫だと言う代わりに微笑みとともに頭を優しく頭を撫でられた。
男はその様子にひゅ〜と口笛を吹いた。
『随分と熱入れてるじゃないですか〜』
『なにしにきた』
慣れ親しんだ母語を舌の上で転がすと祖国の香りが、風景が思い出された。
毎回この瞬間だけはどうしても郷愁を覚える。
男はするりと真っ赤なコートの影から白い手を伸ばすと淳太の頬に触れた。
愛しそうに人差し指の腹で淳太の頬を撫でると、淳太はあからさまに嫌そうに眉を顰める。
『匿ってくださいよ〜このこと、黙っててますから〜』
淳太の周りを一周道化のようにクルクルと回り
ね?
と可愛らしく首をかしげ、親指を淳太の唇へ持っていく。
『それで足りないんやったら』
ぐっと顔を淳太へ近づけた。
『お支払い、しますから』
端正に整った顔は、この男の武器の一つ。
だが、
『あほかいらへんわ。それを見出したんは誰やと思ってる』
鼻先が当たりそうなほど近づいた距離にも眉ひとつ動かさ淳太は答えた。
『え〜我が祖国の高尚な嗜みですやん〜』
パッと顔を離すと再びくるりとコートを翻す。
通じないことははなからわかっていたものの、成長した色に靡くことに期待しなくもなかった自分もいた。
まだまだやと苦い笑みが漏れるのをごまかしお道化る。
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みよ(プロフ) - ジョセフィーヌ・ハルオミさん» 大丈夫ですよー^^無理やりのキスも萌えますよ!!!(もしかしてハルオミさんと私だけの特別な性癖……)2章楽しみにしてます^^ (2017年1月13日 1時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
ジョセフィーヌ・ハルオミ(プロフ) - みよさん» 返信遅れてしまって申し訳ないです……。いいですよね!!私だけの性癖とかじゃないですよね!?中々惹かれる方いますよね!?って思いながら書いてました。笑二章もお付き合いいただけると嬉しです! (2017年1月12日 22時) (レス) id: 1a32b5f4a6 (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - ジョセフィーヌ・ハルオミさん» やっと一章終わりましたね!お疲れ様です^^いや、ですがあのキスもなかなか萌えます笑1人で「超いい……」とかやってましたもん笑笑幸せなキスも楽しみにしてますw (2017年1月7日 19時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
ジョセフィーヌ・ハルオミ(プロフ) - みよさん» ああああ!!ありがとうございます!!めちゃめちゃうれしいです!!キスまで長かったんですよ……しかも色々誤解を生むような……くそぅはよう幸せなキスしてくれや!と思いながら書いてます。笑今後ともよろしくお願いいたします! (2017年1月5日 22時) (レス) id: 1a32b5f4a6 (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - この話めっちゃ好きです!!頑張ってください!!!!キスまで長かったァ〜〜!!! (2017年1月5日 22時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナチル | 作成日時:2016年12月10日 22時