９９.これからも ページ29
貴女side
皆が個々に帰っていく。
最後の仕事をしていた私は、一番遅くサッカー棟を後にした。
外に出ると、すっかり暗くなった空を見上げながら、京介が待っていた。
貴)ごめん京介、遅くなっちゃって……
剣)いや、構わない。……帰るか
貴)うん！！
二人で揃って歩き出す。
よくよく考えると、今後私たちは部活に行かなくなるから、帰るのが1、2年生より早くなる。
つまり、こうして二人で帰ることも、少なくなるのだ。
何と無く、寂しさが募っていく。
剣)……終わったな
貴)……うん
はぁ、とため息をつく。
剣)……寂しいって思ったんだ
貴)え？
剣)この前の電話の時。引退の話していたら、寂しくなった
貴)そう……なんだ……
剣)先輩がいなくなる。もう俺達だけでやっていかなくちゃならない。…それに
空を眺めながら、京介は呟いた。
遠い、寂しそうな目をして。
剣)Aも、もうあの場にはいなくなる。練習の時も、試合の時も……
貴)……京介……
剣)それを考えたら、寂しくなったんだ。……でも
その目が、明るい力を持った気がした。
剣)神童先輩の話を聞いて思ったんだ。確かに俺達は、もう元には戻れない。だけど、集まればそこには、新しい俺達がある。そうして、また新しい俺達を作っていけばいいんだ
貴)……！！
剣)会えなくなるわけじゃない。会いにいけばいいんだ。……Aとも
貴)うん……！！
剣)まだまだ、一緒にいられる。そう考えたら、楽になれたんだ
そう断言すると、京介は少し照れたように顔をそらした。
剣)……まぁ、少し大袈裟だけどな
くすっと、思わず笑ってしまう。
確かに少し大袈裟かもしれない。
だけど、私もまた同じだったのだろう。
何と無く、楽になった気がした。
貴)京介
剣)……？
貴)これからも、一緒にいてね
剣)……あぁ
ふいに、私たちは立ち止まる。
剣)もちろん
月明かりに照らされた私たちの影は、ゆっくりと重なった。
敏感な俺が好きになったのは、鈍感な君でした。
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夜月(プロフ) - 五原椎楼さん» それはいい方なんですよ!!さすがです…！！お仲間ですね！笑はい！笑 (2014年12月28日 0時) (
レス) id: 2947facf68 (このIDを非表示/違反報告)
五原椎楼(プロフ) - ちな☆さん» ああありがとうございます！！もったいないお言葉です……！！これからもいっぱいドキドキさせられるように頑張りますっ！！ (2014年12月21日 22時) (レス) id: 20edc5d2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ちな☆(プロフ) - すごく面白いです(*^^*) 剣城くんがめっちゃかっこよくて、ドキドキしました(≧▽≦) こんなにステキな恋愛小説は初めてです! 更新頑張ってください☆ (2014年12月2日 13時) (レス) id: f952fd3290 (このIDを非表示/違反報告)
五原椎楼(プロフ) - 水無月☆夏木さん» わああありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2014年9月18日 22時) (レス) id: 20edc5d2b3 (このIDを非表示/違反報告)
水無月☆夏木(プロフ) - 面白かったです＾＾更新頑張って下さいね (2014年9月15日 22時) (レス) id: fa596d5e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五原椎楼 | 作成日時：2014年8月12日 22時
