８９.約束 ページ19
貴女side
貴(あれ……？)
ふと、外を見ながら思った。
風が通っている。
何故だろう。
看護婦さん達みたいに、声をかけられたわけじゃない。
だけど、明らかにドアが開いたから。
あのドアが開いたから、風が通った。
貴)どなた……
ですか。
そう続けようとしていたその時。
剣)A
貴)ッ……‼︎
大好きな、声が。
何かが足りなかった私の心を、優しく包み込んだ。
貴)きょ……すけ……
震えながら手をのばす。
未だぼんやりとする世界の中で、私はその姿に手をのばした。
そして。
ぎゅっ……
その手は優しい大きな手に包まれ。
私は、優しい温もりに抱きしめられた。
剣)よかった……‼︎
少し苦しいぐらいにまで抱きしめられる。
けれど今は、それが心地よかった。
貴)京介ぇ……‼︎
私達はしばらく、離れることはなかった。
少しして。
ようやく私達は離れ、私はふと気づく。
貴)……あ、そか。何で気付かなかったんだろ？
剣)？
貴)コンタクトも眼鏡もつけてないから、みえるわけないや
剣)………
しばしの沈黙。
クスッと、京介が笑った。
そのまま声を殺して笑っている。
貴)わ、笑わないでよ‼︎こっちは京介の顔がイマイチ見えないから困ってるのに‼︎
剣)あぁ、悪い
悪いと言っておきながら、まだくすくすと笑う京介。
もう。
反省してないじゃん。
すると。
剣)じゃあ……
こつん、と。
おでこが、ぶつかった。
剣)これで、見えるか？
貴)ふぇ……！？
ピントがしっかりとあった京介の顔。
一気に顔が熱くなった。
剣)……A
貴)な、なに？
剣)約束
貴)あ……
目の前の京介が、クスッと笑う。
とても優しい、大好きな笑顔だった。
剣)約束、守りにきた。
A。勝ったぞ。
それからともなく、私達は笑いあって。
貴)おめでとう、京介。お疲れ様
私達の唇は、重なり合った。
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夜月(プロフ) - 五原椎楼さん» それはいい方なんですよ!!さすがです…！！お仲間ですね！笑はい！笑 (2014年12月28日 0時) (
レス) id: 2947facf68 (このIDを非表示/違反報告)
五原椎楼(プロフ) - ちな☆さん» ああありがとうございます！！もったいないお言葉です……！！これからもいっぱいドキドキさせられるように頑張りますっ！！ (2014年12月21日 22時) (レス) id: 20edc5d2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ちな☆(プロフ) - すごく面白いです(*^^*) 剣城くんがめっちゃかっこよくて、ドキドキしました(≧▽≦) こんなにステキな恋愛小説は初めてです! 更新頑張ってください☆ (2014年12月2日 13時) (レス) id: f952fd3290 (このIDを非表示/違反報告)
五原椎楼(プロフ) - 水無月☆夏木さん» わああありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2014年9月18日 22時) (レス) id: 20edc5d2b3 (このIDを非表示/違反報告)
水無月☆夏木(プロフ) - 面白かったです＾＾更新頑張って下さいね (2014年9月15日 22時) (レス) id: fa596d5e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五原椎楼 | 作成日時：2014年8月12日 22時
