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いつもより時間が長く感じる日々が続いた
思うように気分が上がらない
そんな私を見て楓士雄が声をかけてくれた
楓士雄
「A、大丈夫か?」
A
「うん、大丈夫。」
しばらく沈黙が続いた
楓士雄
「無理すんなよ。」
そう言って私の頭にポンと手を置いてからどこかに行ってしまった
正直、ここまで落ち込むことになるとは思わなかった
あの日、有剣に別れを告げた時は怒りで別れて正解だと思った
でも時間が経つと何故か悲しくなってしまう
それほど本気で好きだったから
有剣が初めての彼氏だった
だからこそショックがでかくてこんなにも気が落ちてるんだ
どうしても前に進めそうになかった
どうしてこんなにも時間が経つのが遅く感じるんだろ
すると近くで流してあったラジオから
前にまどかと見た映画のエンディング曲が流れてきた
“あなたがいた場所は今も暖かい
その温もりがあの日々を思い出させる
あなたは私を傷つけるのが上手だね
だってあなたの温もりすらも私を傷つけるんだから ”
私達の最後は嫌な別れ方だったけど
あの恐怖に気づく前は幸せだった
その時の思い出と一緒に
有剣へのどうして?という気持ちが膨らんだ
愛してくれていたならもっと他の形で愛を示して欲しかった
それが恐怖に変わるならそれはもう愛じゃない
今更になって思う
有剣のことを本気で愛していたんだと
こんなにも傷つくならはじめから好きにならなきゃ良かった
違う、愛しすぎる前に気づきたかった
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作者名:haRu.s2 | 作成日時:2023年7月12日 14時