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サダばあと撮った写真を見つめて思い出していた
サダばあがまだ生きていた頃の事を
私はサダばあが大好きだった
いつも優しくて、海のように広い心を持った人
サダばあはいつも私の相談を静かに聞いてくれていた
原沢商店は私のもうひとつの家のようだった
どんなに辛い事があっても原沢商店に来ればサダばあが慰めてくれた
私の一生のトラウマになったあの日も
サダばあは私を守ってくれた
_____
無我夢中で走ってやっとの想いで辿り着いた原沢商店
自分の穢れた体を必死に支えながら私は走った
ガラガラとドアを開けるといつものようにサダばあがいた
サダばあの顔を見た途端
涙が溢れて止まらなかった
泣き崩れる私にサダばあが駆け寄って抱きしめてくれた
サダばあ
「A!何があったの!」
私は声を上げて泣いたいつまでも残り続ける感覚と匂いに脅えながら
落ち着きを取り戻してサダばあに事情を話すとサダばあは優しく
サダばあ
「あんたの気持ちが落ち着くまでここに居るといい、帰ろうと思えるまでここに居ていいよ。A、あんたにはみんながついてるから、だから強く生きるんだよ。」
それから数日間、私は原沢商店に泊まらせてもらった
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サダばあはどこまでも優しくて暖かい人だった
もちろん、幼馴染のみんなも私の心の支えだった
いつの間にか楓士雄も隣に立って一緒に写真を見つめていて
ガラガラと扉が開いて真也と正也が入ってきた
正也
「おおー!楓士雄!A!先に着いてたのか!」
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作者名:haRu.s2 | 作成日時:2023年7月12日 14時