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一目惚れだった。










初めてあの人を見たのは、最寄り駅だった










ギターを弾きながら歌う彼女はかっこよかった










低いハスキーな声で静かに、まるで流れるように歌っていた










周りに集まる人の中に紛れて気づけば立ち止まって










最後の曲が終わるまで俺は彼女の歌を聴いていた










10分後、最後の曲を歌い終えて片付けをしてる彼女に










勇気を出して声を掛けた










「あの、友達になってくれませんか?」










A
「は?」










棘のある返事に驚いたけど










でも、どうしてもこの人と仲良くなりたいと思った










「歌聞いてました!すげえいい声だなって思って」










「俺もアーティストでダンスやってて!だから、仲良くなれたらなって思って」










そう言ったら何故かしばらく見つめられて










少ししたら目を逸らして片付けをはじめた










A
「歌褒めてくれたのは嬉しいけど、友達は違うでしょ」










喋った声も歌声と同じで低くかった










片付けを終えた彼女がそそくさと帰ろうとして










「え?あ、え、あの!」










そんな彼女を俺は必死に止めようとして









「好きです!」










咄嗟に出た言葉がそれだったことにびっくりしたけど










彼女が止まってくれた










A
「あんた、自分が何言ってんのかわかってんの?」










「今日初めて会って、友達になれって言ったと思ったら次は好きですって何なの?」










彼女は眉間に皺を寄せて怒っていた










「どうしても、あなたと仲良くなりたくて」










名前も知らない彼女に一目惚れした












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作者名:haRu.s2 | 作成日時:2024年1月25日 10時

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