憂鬱のシスター (ページ7)

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寝静まった夜、カーテンの隙間からこぼれる明かりが、その寝顔を照らした

―兄様、兄様！―

僕の後ろを雛のようについて回っていた頃を思い出しながら、その頬を一撫でした
僕にとったら目や口から入れても、痛くない程、愛して止まないA

‥傷一つ作ろうものならそれは僕が許さない。

自由を求めている事は分かっている
それは、リリアも分かっている

だが、与えてはならない
また《あのような事》が起きたらと考えると、心臓が掴まれたようになる

「魔の手からお前を守る為なんだ
わかってくれ、A‥」

僕とリリアの目を盗み良く人里へ降りていた事は後から知った
これは僕とリリアの過失だ

拐われた時は本当に気が狂いそうだった

拐った人間をどう料理してやろうかと
珍しく感情が荒ぶっていたのを覚えてる

―何故、リリアの言いつけを破った！？
僕とリリアが助けに行かなったら、お前がどうなっていたか分からない訳じゃないだろう！―

―ごめんなさいっ‥！！にぃざま、ごめんっ‥なさい‥ﾋｯｸ、ﾋｯｸ‥！―

その時、初めて‥

「お前をぶってしまった‥
それは今でも後悔してるんだ、すまなかった‥」

あの事があってから過保護になり過ぎてる事も分かってる
失って後悔するよりも、後悔しない選択を選ぶ
窮屈に思われても、それでAを守れるなら

眠るAを見つめる、優しく触れた前髪
眠姫に口付をするように額へ落とした唇

そして額と額を合わせる

『‥いつまでもそのような事
お気になさらないでください、兄様
過去のことです』

「お前は過去と言うが僕は昨日のことのようだ
ぶった後にお前の頬に後遺症が残ったらと思うと僕の胸は、張り裂けそうだった‥」

『ぶっただけで後遺症など残りませんよ
兄様は、気にし過ぎです』

こんな至近距離で兄様の顔を見れるのは私かリリアぐらいだろうな
セベクとか失神してそうだし、シルバーはマレウス様どうかされましたか？なんて、聞いてそうだし

それよりも‥‥

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