元旦 五 ページ38
新年早々、貧弱な心臓が加速し
止まることを知らない
綺麗だなんて‥三日月さんの方が
お綺麗ですよなんて言えず
そっと見つめれば
今だ微笑んでる三日月さん
先程の事を思い出せば
直視出来ず、畳の目を見つめた
そんな私の手を掴み立ち上がる
『あの、どちらへ‥？』
「なに少しじじいの散歩に
付き合ってくれ、桔梗
皆に内緒でな」
ぬらりくらり、他の皆様の目を盗み
私の手を引き部屋から出た
障子の外、ひんやりとした冬の気配
雪の上、二つの下駄が歩く
隣を見上げれば袖の中、手を隠し歩く三日月さん
私は少し後ろ控えめに歩き
着いていく
息を吐けば白い、冬の寒さが指先を凝らせる
指先と指先を合わせ
暖かい息を吐けば一瞬、温くなる
でも、やはり冷気の方が強い
そんな私を見兼ねてか
優しく包む大きな両手
視線をあげた先、三日月さん
「桔梗の手は冷たいな」
『えっと‥//』
「どれ、俺が暖めてやろう」
絡まる指は恋人繋ぎ、冷たい私の手が
暖かい三日月さんの手を感じた
反論言うまでもなく
大きな手に包まれ歩く
冷気のせいか、それとも三日月さんのせいか
私の頬が紅く紅く
歩く度、揺れる簪に少しの興味
どんな形なのだろう？
私が着けていた簪はいつの間にか
三日月さんの懐へと消えていた
「気になるのか？」
『はい、三日月さんが見繕ってくれた簪
とても気になります
外して見ても良いですか？』
「あぁ、気に入ってくれると良いが」
『絶対、素敵に決まってます！
三日月さんからの贈り物は
どんな物でも、素敵な物です』
そう言いながら私は
握られていない指でそっと簪をとった
桃色の山茶花、枝垂れ桜のように花開く
桔梗、三日月さんが私のそばへ
少し寄りまた髪を掬う
見上げる私、知っているか？桃色の山茶花の花言葉を、そう聞いてくるから
私は何も言わず首だけを横に動かした
『花言葉は何ですか？』
「そうさな、まだ言えん
俺の気持ちが知られてしまうからな
言える日がくれば伝える
今は暫し、待っていてくれ、桔梗」
『？はい、わかりました』
だから、その時まで
まだ、この気持ちは俺の中で
しまっておこう
今暫く、この関係を崩したくない
桔梗を想い《愛する》気持ちは
《永遠》に変わらないのだから
元旦 [完]
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ベスくん(プロフ) - 瑠璃さん、ハマってしまいました、なんと言うことでしょう、ずっとシャンパンゴールドが頭から抜けません(笑) 本のことは知りませんでした！なにぶん、ハマったの最近なんです！ (2019年6月21日 1時) (
レス) id: fe5bc9a228 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ヒプノシスマイクハマりました?私は麻天狼派です!６月25に麻天狼とポッセ、B,BとMTCの本が発売、すでにTDDの本が発売されてます知ってたらすいません (2019年6月20日 19時) (レス) id: dab8dcba5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベスくん | 作成日時：2019年6月8日 23時
