太陽神様、審神者になる

付喪神様、会議する ページ9

大将と人間が去った部屋は
誰も言葉を紡がない、俺っちはどうするか考えていた

このまま、大将がここの《審神者》に
ならなかったらまた違う人間が来る
それだけは避けたい…
俺っちは大将…あの男について行きたいと
思ってしまったから

大将に感じる《者》が
他の《者》より違う、纏う空気がそう言わせる
人とは違う
顎に手を添え考えてる俺っちに声をかけてくるのは、ここの古株の《燭台切》の旦那




「ねぇ、薬研くん

あの人はどう言う人？」

「ん？あぁ、そうだな
俺っちが思うに大将は《人》じゃない」

「人じゃない？」

「だが、まだ半信半疑だがな
俺っちも大将に治してもらったが
人とは違う霊力を感じた」

「…神力か？」

「…まぁそんな所だ、三日月の旦那
和泉守の旦那もそう感じただろう？」

「…あぁ」




三日月の旦那がえらく難しい顔をしていた
三日月の旦那も何か感じたのだろう
もし、感じた物が本物なら大将は俺たちと同じ
だけど、俺っちたちは神でも端くれ《付喪神》
大将は何になるのか

もし、俺たちよりも上でも…




「だけど、俺っちはそんなの
関係ないと思うがな
大将が何だろうと俺っちは大将に
ついて行きたい

《俺》の一生は大将と共にありたい」




自分が信じる方へ歩く、俺は選んだから
なぁ大将、あんたの刀として
一緒にいさせてくれ
俺はもうあんた以外の《大将》なんていらない

いいだろう？





ー織田の短刀、太陽神様の元へー

たいーしょ

なんだ？お酌でもしてくれんのか？

どっから酒を…

下僕(ｲﾇ)に運ばせた
ほら、俺にお酌できるんだぜ、喜べ

おーおー、嬉しい嬉しい
仕方ねぇからお酌してあげるぜ

可愛くない言い方だな、薬研
躾直してやろうか、本当に

悪いが却下だ
生意気の方が大将好みだろう？

！はは、そうだな
生意気な奴は嫌いじゃない、むしろ大好きだ
躾し直して俺色に染め上げたい

そうだろう、大将
…長い付き合いになるんだ
ゆっくり躾直してくれよ

…あぁ、わかったよ

付喪神様、会議する 二→←太陽神様、心情を覗く 三

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す