太陽神様、心情を覗く ページ6
人が犯した罪ぐらい人が
尻拭いするのが筋だろうに
いつだって、人は招いた事に対し
責任を持とうとしない、尻拭いが出来ないと
わかれば《神頼み》《他人頼み》
なんて面倒な生き物だ
時代がそうせるのかも知れないが
いつの間に《神》を愚弄する生き物へ
変わり果てたのか
昔は今と違ってもっと
人間は『素敵』な生き物だったんだがな
俺の記憶上では、な
だが、人は過ちを犯しその重みを知る
まったく救いようもない訳でもない
殺気が籠る目、張り詰めた空気が重たくする
俺は大将から人へ視線を変えた
この空気に耐えられず恐怖を感じ縮こまっていた
憐れに思うが、俺に助ける義理はない
人間なんて…
目を伏せれば、人間の悲鳴が耳へ来る
咄嗟に顔をあげれば刀スレスレで避け
逃げる人間が目に入った
「大将!」
『なんだ?』
「なんだって…このままじゃあの人間
死ぬぞ!?」
『だから?』
咄嗟に呼んだ大将、だが冷めた目が俺を映す
俺は関係ないと言いたげだ
詰め寄る俺にさえもその目で見る
「あいつ死ぬぞ、大将」
『どうしたんだ?急に
薬研、お前は人間が憎いんじゃないのか?
嫌いなんだろう?
情でも湧いたのか?』
「情なんて…だが、あいつは
別に俺たちには何もしてない
俺たちを傷つけたのは別の人間であって
あいつは…」
『………』
「あいつは俺たちとは《関係》ない…」
大将の顔が真っ直ぐに見れなくて
目を逸らした、そしたら俺の視界へ入ったのは
人間が大将の手によって
救い出されていた、首根っこを捕まれ
己の後ろへ飛ばした、そのせいで障子が破壊された、痛い…障子に顔を突っ込んだ形になり
四つん這いになってる人間
俺は大将を見た
『そう、関係がない
この家畜を殺す理由なんてお前たちにはない』
「!!」
『人間が憎い、殺したいぐらい憎い
そんなくだらない理由だろうけど
《関係》がない人間たちを
殺してるお前たちが被害者面してんじゃねぇよ
ここへ来た《審神者》をちゃんと
見ようとせず、己が決定付けた理屈で
人様の命、奪ってんのはお前たちも
同じだろう、同胞を奪われたからってな
人の命奪っても何も救えない
復讐からは何も生まれない
満たされない、ただ己の心が穢れて汚れちまうだけだ』
「い、痛いです…」
人間の突き出されたお尻を一蹴りし
その上へ腰掛け足を組む大将
俺たちを翡翠色の瞳で見つめてきた
ー太陽神様、床に座りたくないー
お、重い…
家畜は黙って椅子になれ
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akithin.(プロフ) - 更新楽しみに待ってます! (2020年7月15日 2時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
氷牙 - 短刀達と鬼ごっこをお願いします。太陽神、かっこよくてめっちゃ好きです! (2019年11月14日 16時) (レス) id: 990e5cc797 (このIDを非表示/違反報告)
氷牙 - 長谷部とイチャイチャしてほしいです。設定などはお任せします。 (2019年10月21日 23時) (レス) id: 990e5cc797 (このIDを非表示/違反報告)
氷牙 - 面白いです!更新頑張って下さい! (2019年8月15日 17時) (レス) id: 551fba8171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベスくん | 作成日時:2019年3月18日 3時