太陽神様、審神者になる

太陽神様、お心変わり 二 ページ16

思い出と薬研が追いかけてくる
俺はそれから逃げる

秘密(ﾊﾟﾝﾄﾞﾗ)にしまった過去が
ここから出してよと鍵を破ろうとする
自然に自分の左胸辺りの着物を掴んだ

クソ！面倒だ！
引き受けた自分を悔やむ、今更だが
伊勢で人間の願いを叶えてる方が
良かった、退屈だったがこうなるなら
断然良かった

大将！薬研の声に振り向かない
振り向きたくない、追ってくる足は
薬研だけじゃない、それがわかってるから
あの白い男が来てるから

振り向きたくないんだ





「おい、大将！」

『(ごめん、薬研

頼むから追いかけないでくれ
俺を‥追いかけて来るな)』

「なぁ！待てよ、大将！」

『(諦めてくれ‥俺はお前たちの
大将にはなれない)』

「‥‥‥‥

待てって言ってんだろうが！！」

『うぐっ‥！？』





早歩きの俺の背中に
何かが直撃する、それは俺を押し倒した

たいーしょ♡‥‥捕まえたぜ

くそ可愛い笑顔から
漢の顔になった薬研だった
そして、何の躊躇いもなく俺の顔横すれすれ
短刀を突き刺したと思えば
俺の羽織を掴み顔を向かせようとする

‥薬研、お前‥‥





『おいクソ餓鬼、巫山戯てんのか？
今すぐその玩具と手を離せ』

「誰が離すかよ、こうでもしねぇと
まともに話もしねぇだろうが

ちゃっちゃと吐いて楽になれよ

なんで審神者辞めるとか
クソな発言しやがった？」

『だから、俺の気分って言っただろう』

「いや、嘘だね
大将、嘘はいけねぇな？
ましてや餓鬼に教えるなら
嘘じゃなくて本当の事を教えねぇとなぁ？」

『こんな時だけ餓鬼とか言ってんじゃねぇよ

‥‥俺にも《事情》があんだよ』

「その《事情》が俺達と関係あんのか？
それは大将の事情だろ、俺達には
何一つ掠ってない
事情一つで審神者辞めるなんて‥

俺たちを期待だけさせておいて
やっぱり出来ないとか巫山戯てんのは
大将だろう

振り回すのやめてくれよ」

『‥‥‥(こいつ、正論ぶち込んできやがった、間違ってないから反論が出ない

クソ餓鬼のくせに説教かよ
俺はアマテラス様だぞ←)』






とりあえずさぁ、薬研‥






ー太陽神様、起き上がりたいー

おい、退けよ
いつまでも俺を土の上に
押し付けるな、汚ぇよ

大将が審神者辞めないって言えば
退いてやる

それこそ理不尽だな、おい

理不尽じゃねぇよ、大将が
昨日言ったんだろ
男が一度言ったことに逃げんなよ

‥くそ

付喪神様、合流する→←太陽神様から御礼

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