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47話 楓の飛沫 ページ47

ひらひらと舞い落ちる楓
俺の羽織へ落ちる、指に取り見つめる
手土産にしようと
そっと懐へしまう、きっと良く似合うだろ
あの宵闇のような黒髪に
綻ぶ頬、早く喜んだ顔が見たいと思う
早く見つけて帰りたいと
思う事は俺も一緒か
ふっと口元が緩む、加州の背中を追うように
歩く俺の足が止まる
腰にさしていた刀へ手をかける
それは加州も同じのようだ
俺が願った神頼みは
通じなかったのか?
楓が風に揺れる、たくさん舞い落ちる中
動き出す足

金属音が響く、こんな所にも
お出ましになるのか?遡行軍は!
俺の太刀と相手の太刀が交じり合う
鶴丸!加州の声が聞こえた
はは、これが一難ってか?
いや、これは違うか
俺の勘がそう言ってる
俺の視線の先、加州も対していた
相手に引けを取らない加州だが
今の加州は気が荒い
桔梗の事で冷静になれてない上
相手が大太刀だ、少し部が悪いか






「悪いな、いつまでも
君の相手をしてる程、暇じゃないんだ

退け」





太刀を持つ腕を切り落とせば
一気に攻め立てる
楓が舞う中、俺の刀は血を舞わせる
倒れる遡行軍を尻目に俺は駆ける

なに?説教なら帰ってから聞くから

そうだな、帰ってから
足が痺れるまでこっぴどく
説教してやろう、加州
年長者の言葉はちゃんと聞く事だと






「っ、鶴丸…!」

「はは、驚いた驚いた

紅白に染まった俺を見たんだ
覚悟は出来てるのだろう?」





利き手を斬られた、これはちと
辛抱がいるか…?
刀を持つ手の力が抜けそうになる
まさか、伏兵とは
これが一難か…加州を斬ろうとした遡行軍から
守ったものの、どうするかな
こう囲まれちゃ逃げ道がありゃしない
加州だけでも、なんて
かっこよく決める暇もないか

鶴丸…加州の声、斬られた俺を見て
不安になったのだろう
安心させるように、大丈夫だ、問題ないと
言えば、刀を構えた
刀を持つ手が痛い、だがそうも
言ってられないだろう
加州と背中合わせ
そっちは任せてもいいの?
加州がそう言えば、愚問だな、俺以外に任せられる奴がいるか?と返せば

いない
…鶴丸、ごめん
加州がそう言葉を漏らした
俺は一つ目を閉じ口元を緩ませた
再び目を開け、前を見据えた
帰ったら説教だ、加州!
そう言えば
お手柔らかにね!
同時に互いの前へと駆けた

楓と共に

48話→←46話 江戸にて



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三三七拍子 - 源氏兄弟の名前のくだり、もうほんっと大好きです! (2019年6月26日 10時) (レス) id: fda3082ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - オリジナルフラグ外せば違反にならないから、今のうちに外してしまおう? (2019年1月12日 16時) (レス) id: 9e58c80ee2 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう (2019年1月12日 16時) (レス) id: a2860cc4ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベスくん | 作成日時:2019年1月12日 16時

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