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45話 太閤の見守り ページ45

静かな部屋の中、辛そうな息遣いが
耳に入る
寝床で真っ赤な顔をした
桔梗殿が眠っていた
そっと手拭いを取りぬくもったそれを
水につけ冷やせば
絞り水分を切り、また熱が篭った額へ
私と共に残った燭台切殿と大倶利伽羅殿を
除いた三日月殿たちが
遠征で江戸へと赴いている
昨夜、熱を出した桔梗殿ために
薬を調達するため
今この本丸には薬という薬がない
私たち付喪神ならまだしも
人間であり、おまけに体が弱い
桔梗殿には薬が必要だと
薬研が判断した

今回の遠征で薬研は必須
戦力も必要、本来ならば私も共をする所だが
加州殿が責任を感じ名乗りを挙げた
桔梗殿の傍、正座をし
じっと見つめていた
おかしな話だ、人間を憎み堕ちた私が
こうして人間の世話をするとは…
でも、堕ちた私を助けたのは
紛れもなく桔梗殿
恩義を返すと言う意味で世話をしよう
まだ、安心しきれない本丸
いつどこから狙われるか分からない
傍らに置いた『一期一振』
そっと手をかけ抜刀しようと
構えれば、驚いた声が聞こえた





「一期くん!僕と伽羅ちゃんだから!」

「…………」

「申し訳ございません!
燭台切殿、大倶利伽羅殿!
てっきり敵襲かと…」

「敵襲って…桔梗ちゃんの様子はどう?」

「桔梗殿は今だ辛そうです…」

「薬研くん達が帰ってくるまで
辛抱だけど、それまで
僕達が出来ることしてあげたいね」

「そうですな、私たちか出来ることは
限られていますが
それでも出来ることがあるなら
致してあげたいところです」

「作ったお粥食べれるかな?」

「ひとまず起きるまで待ってみましょうか」

「そうだね、早く良くなって欲しいね
伽羅ちゃん」

「どうでもいい…」

「ふふ、お粥作ったの誰だったかな?」

「…………」

「大倶利伽羅殿が作ったのですか?」

「うん、僕も少し手伝ったけどね
きっと喜んでくれるよ、桔梗ちゃん」

「……うるさい」

「照れてる?」

「照れてない」

「照れてますな」

「照れてるね」

「照れてない…!」

「「(素直じゃないね/ないですな)」」

46話 江戸にて→←44話 体温と恋熱



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三三七拍子 - 源氏兄弟の名前のくだり、もうほんっと大好きです! (2019年6月26日 10時) (レス) id: fda3082ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - オリジナルフラグ外せば違反にならないから、今のうちに外してしまおう? (2019年1月12日 16時) (レス) id: 9e58c80ee2 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう (2019年1月12日 16時) (レス) id: a2860cc4ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベスくん | 作成日時:2019年1月12日 16時

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