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37話 友達 ページ37

天へ昇る蛍の光たちを
今だ私は見つめていた
あの中にきっとお爺様もいるのだろう
桔梗ー!
私の名を呼んで駆け寄ってくる
清光さんを見つめた
歩み寄ろうと足を踏み出す

だけど、私の意志に反し
その体が地へ落ちようとする

そんな私を受け止めてくれたのは
青衣の三日月を纏った彼だった
優しく抱きとめられる
大丈夫か?桔梗
優しい声、三日月さんが…安心したのか
私はそれに甘えてしまう

髪を撫でられる
その手つきは壊れ物を扱うような
そんな感じがした
薄れゆく意識の中、聞こえたの
大切な『友達』を抱きしめて
嬉しそうにその人の名前を
呼んでいる声が…

伽羅ちゃん!

そう聞こえたの…
良かった、『友達』に
また逢えて
良かったね、燭台切様






「三日月の旦那、大将を見せてくれ
俺っちが診てみるから」

「あぁ、頼む薬研」

「とりあえず、縁側の方へ運んでくれ」

「わかった」

「桔梗の様子はどうなんだい?
大丈夫なのかい?」

「あぁ、微力だがちゃんと呼吸もしてる
脈もちゃんと機能してる
霊力を使い過ぎたんだろう
でも安静に寝かしてやったら
次第に回復して目を覚ます
その間はずっと寝てるがな」

「良かったな、兄者」

「うん、桔梗がいなくなってしまったら
僕が鬼になりそうだからね」

「冗談は良してくれ、兄者」

「ありゃりゃ、本当だよ?」

「兄者…」

「しっかし、今回も危なかったな
まったく…俺達の心配をわかってるのかねぇ」

「わかってないでしょうね
でも、無事で何よりです」

「おっ、一期も毒気に侵されたか?」

「別に私は侵されて等、いません」

「ふーん」

「鶴丸殿、なんですか?その笑みは」

「別にー」

「鶴さん、みんな
ありがとう
伽羅ちゃんの事…」

「それ、俺達じゃなくて
桔梗に言ってやって
俺達がした事は当たり前な事だし
戦場に仲間を迎えに行くのは当然だし」

「加州くん…」





だからさ、桔梗にたくさん
ありがとうって言ってやって
それだけで喜んじゃう馬鹿だからさ
それでさ
笑って言ってやって

僕の『友達』を助けてくれて
ありがとうって
それだけでいいからさ

38話→←36話 蛍の光



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三三七拍子 - 源氏兄弟の名前のくだり、もうほんっと大好きです! (2019年6月26日 10時) (レス) id: fda3082ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - オリジナルフラグ外せば違反にならないから、今のうちに外してしまおう? (2019年1月12日 16時) (レス) id: 9e58c80ee2 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう (2019年1月12日 16時) (レス) id: a2860cc4ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベスくん | 作成日時:2019年1月12日 16時

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