もう1人のRevel (ページ10)

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10話ページ10

翌日‥少し早めに仕事を切り上げ会社を出る
車の中、そっちまで迎えに行く、と返信しアクセルを踏んだ

「今日、慶ちゃん迎えに来れない理由とか言ってた？」

『ううん、何も聞いてない』

慶ちゃんから連絡があった
Aの迎えを頼むって、初めて言われたから少し戸惑った
いつも何があっても慶ちゃんが迎えに行ってたから
Aに聞いても理由を聞いてないって‥

慶ちゃん‥誰と居るんだろう。

そんな事を思いながら2人でご飯食べて少しウインドショッピングして、いつものBARにやって来た

『羽鳥！』

「A

あれ槙がいない、珍しい」

「‥そういう日もある」

「誰と居るんだろうねぇ、槙は」

「もしかして羽鳥、あの女に入れ知恵とかしてないよね？」

「さぁ」

『？』

「はぁ‥絶対あの女といるじゃん‥」

僕は小さなため息を吐く、Aの手を引きいつもの席へ行く

そして、暫くして桧山くんも来て慶ちゃんが来るのを待っていた

そしたら‥

「慶ちゃん！‥‥‥なんだあんたもいんの」

「槙、玲ちゃんと一緒だったんだ」

「あぁ」

「こんばんわ」

「泉、ちょうど良かった
この間のデータで調べた情報だ、持っていく手間が減った」

「ありがとうございます！桧山さん」

『‥‥‥』

ぎゅっとスカートを握るA、震えている手を隠す為に握ってるのだろう、僕はそっと握ってあげる
も、もしかして‥白鷺 Aさんですか？と泉が口を開く
Aは少しビクッとして小さな肩を震わした

あの、私、麻薬取締官の泉玲と申します。よろしくお願いします！と名刺を差し出した泉の手を無意識に払ってしまった

虚しく名刺が机に落ちる‥

「！！」

『！！っ‥ご、ごめんなさい‥！』

「A！」

掻き消えそう声で、申し訳なそうに謝ったAが走り去って行った
それを慶ちゃんが慌てて追いかけて行った