もう1人のRevel (ページ9)

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9話ページ9

『本日もありがとうございました』

「「「「ありがとうございました」」」」

毎週2日の生け花教室にも少しずつ慣れてきた、大丈夫大丈夫と心に言い聞かせ、2時間という時間を切り抜ける
私にとったら《2時間》でも辛い‥気を抜いたら過呼吸になりそうで

生け花をラッピングする、さよなら、先生と声をかけてくれる生徒さん達に微笑む、少しぎこちない微笑み‥気づかれてないといいな

メッセージを取り出し
臣くんへ誕生日メッセージを書く、色の着いた筆ペン、こないだ慶太に貰ってからお気に入りだ

「A」

「慶太、あれ亜貴は？」

「仕上げなくちゃいけないデザインがあるらしくて
今日は来れないって」

「そうなんだ」

「桧山くんの誕生日プレゼント？」

「うん、少し早いけど‥喜んでくれるといいな」

メッセージカードを見つめながら小さく微笑むA
桧山くんなら喜ぶよ、Aからのプレゼントだから、俺がそう言えば、うんと花が咲いたような笑顔

その笑顔を見た途端、俺の心の中がほわっとして幸せな気分になる

着替えてくるね、立ち上がったA
頷き見送り、俺は着替えが終わるまで部屋で待つ
そんな時、ピコンとメッセージ音、ディスプレイには《泉玲》の名前

―今度の日曜日はお暇でしょうか？
日本画家の個展に行きませんか？―

日本画家‥？今度の日曜日‥？

俺は、もしかして‥と思いネット検索した

《白鷺清秋の悠久の日本絵巻の世界》がヒット

やっぱり‥なんで、泉が‥

『慶太、お待たせ』

「！‥あぁ、荷物持つ」

『ありがとう‥//』

「ん」

『あ、あのね慶太‥今度の日曜日は予定ある？』

「いや、まだ何も‥」

『お父さんが個展に慶太達も招待したらどうだって‥予定あるなら、また今度で大丈夫』

「返事待ってくれるか？」

『うん』

「悪い‥」

『ううん、大丈夫』

助手席を開けAを乗せる、後ろ座席に荷物を置き
外で少し携帯をいじる

―日曜日の件だけど、その前に確認したい事がある
明日の夜に会えるか？―

返信し運転席に戻った