沖田総司の先祖還り (ページ22)

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21話ページ22

―鶴丸国永から情報を採取します―

丸‥‥鶴‥鶴丸！

俺ははっとして前に座っていた彼女を見つめた
いつの間にか《あの事》を考えていたようだ

‥忌々しい記憶。

咄嗟に笑顔ですまんすまんと謝った
冷めたこーひーを口に入れる、ほろ苦さがいっぱい広がった

『君に聞きたい事があるんだ』

「今日の事か？」

『そうだよ
今回のケースは規則違反であり君だけを特別扱いして、こうして会うのは御法度だ
なのに《特例扱い》されてこうして僕と会ってる
それはどうして？』

「‥話したくない、聞かないでくれ」

『‥‥‥』

―駆逐課の女に会いたい―
―それは出来ない相談だ、規則違反にあたる―
―ならお前の上司にこう伝えれば良い―

俺は政府の人間と話した時の事を思い出していた
この女に会う口実を作りたくて、小さな希望を胸に抱いて‥
そして、今日ようやく巡り会えた

あの時倒れた女を受け止めた時感じた《何か》
霊力とかそんなものではない《何か》、あの日からずっと考えるようになって、気づいたら《会いたくなってた》

『ここへ来る前に言われたんだ、《僕に使って欲しい》って
生憎だけど、僕にはもう清光と安定がいるし菊一文字もあるから
もう刀は要らない』

「‥わかってるさ
ただ、君に会いたい口実さ」

『君は本当の理由を話す気はないのだろう？』

「‥‥‥‥」

『なら僕に出来る事はない』

冷たく置かれた距離、楽しかった時間があっという間に終わる‥

本当の事を言えば君は俺を受け入れるのか‥？

君は俺を‥‥戻れない所まで来てしまったな‥

『僕はそろそろ仕事に戻らないといけない
君を保護課に送るから行くよ』

「‥あぁ」

たった一言‥《助けて》と言えば君は助けてくれるのか‥？