沖田総司の先祖還り (ページ12)

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12話ページ12

清光と安定の初出社を明日に控えた今日も、いつも通り《駆逐》に勤しむ
一つすればまた一つ、増える続ける速度は正に《雑菌》みたい

そんな事を思いながらIDを翳し次の本丸へ

どす黒い本丸、木は朽ち果て見事なお化け屋敷
菊一文字を手に持ち門をつつけば、ぽろぽろと零れた木屑

Black Fileに目を通せば階級は《天魔》だった

「ここはどうやら《乗っ取り》にあったようですね」

『乗っ取り‥？』

「はい、ここ最近《審神者のやり口》です
新人に選ばれた人間が熟年の審神者の元へひと月、研修に行くのですが‥
本来ならばそこで勉学に励み研修を終え出ていくのですが
《乗っ取り》はその逆です

新人が元いた審神者を追い出すのです」

『へぇ‥‥
資料見る限りここはかなり優秀なとこだったと、見受けられますが』

「えぇ、それはもちろん
こちらの本丸は貢献度、成績度、適正度、全てにおいて文句無しの優秀本丸でしたが
隙をつかれたようですね‥
主人がいない間に、新人が根を植えたのでしょう‥」

保護課の人が悲しそうに目を伏せていた

《人の物程、魅了的な物はない》
欲しさ故に乗っ取りをしたのか、それとも一からめんどくさいからって理由でしたのか

まぁ、駆逐相手にこんな事考えても
無意味なんだろうけど‥でも‥

元の審神者の身になればどちらの理由も腹ただしいよね

『‥僕も許せないかな、誠を背負う者として‥』

「沖田さん？」

『！‥いえ、なんでもありません

では、駆逐してきますのでこちらでお待ちください』

「はい、よろしくお願いします」

保護課の人に見送られ私は門の中へ入った

駆逐階級

天魔《ちょーつよい、死ぬなよ》
修羅《まぁ強いんじゃない？あー死ぬなよ》
武者《まぁまぁかな、ばっちこーい》
強者《合点承知之助だな》
普通《初心者向けだっての》

と言う具合

「ざっくりし過ぎってのー、室長」
「まぁ伊弉弥さんですからね」
「この強さのレベルさぁ全っ然、役立ったことないし」
「役立つ訳ないじゃないですか、こんなの
子供が書いたようなもんですよ」
「だよねー！正直、戦えば分かるよネ♡」
「お前ら、俺が傷つかないとでも‥？
Aもそう思ってんのか？」
『‥‥否めない』
「‥‥‥‥‥」