アルカリ性のなみだ2

49話 ページ6

心地いいハサミの音にうっとりしながら









私は鏡をぼーっと見つめた。






いつもお喋りな龍ちゃんも、







黙ったまま、なんだか楽しそうに私の髪の毛を整えてる。









林田「まじすか！」








突然、耳に入ってきたさっきの店員さんの声









綺麗な茶髪に無邪気な笑顔。





いわゆる後輩系の元気な男の人だった。








この美容院ってイケメンしかいないのかな？なんて不安になる(笑)









林田「でも当たって砕けろっすよ！」







独特な話し方をする彼の声は






聞いてるだけで、なんだか励まされた。








にしても、さっきのお客さんとどんな話してるんだろう(笑)








林田さんは、少し高いからこっちまで聞こえるけど





相手の人の声は全然聞こえない。









林田「俺も、ずっと大好きな人がいるんすけど、何回告白しても断られるんすよ〜...」







悲しそうな顔をする彼は、ガクッと肩を落とした







こんなイケメンに告白されて振る人なんているんだ...






なんて、そんなことばかり考えていると









龍二「はぁ〜い！終わり♡流しに行きましょ♡」






龍ちゃんの声が聞こえて、はっとする








A「うん！」









椅子から立ち上がって、切った細かい髪の毛を流してもらう。









頭を洗ってくれてる龍ちゃんの手があまりに心地よくて






思わずウトウトしていると









お客さん「やっぱりそうですよね...」







さっきのお客さんの声が聞こえた。









美容院で結構ディープな話してるなーなんて思いながらも









龍ちゃんの手の感触を思う存分味わった私であった

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