5 ページ6
圭人side
一時帰宅、それは月に2度、2日に渡って訪れるものだった。
今回は俺と侑李はお留守番。
理由は簡単だった。
「数値があんまり良くないからお家に帰るのはまた今度ね。」
藪ちゃんに言われた言葉が脳裏に焼き付いて取れない。
いくら子供だって、言ってる意味くらいはわかった。
俺と侑李だけは具合が良くないんだ。
いいと思っていても、良くない。
わがままを言っても困らせるだけであることはわかっていて、侑李も素直に頷いていた。
それを真似して頷いたのは自分だけの秘密だ。
だって、年上なのに格好悪いから。
今日は裕翔と涼介が雄也と光くんに見守られて外出の準備をする中、ただぼうっと院内学級の宿題をやっていた。
話し相手になるはずの侑李は心臓の調子が悪いらしい。
トイレに行ったかと思えば低血圧で蹲っていた所を看護師に見つけられて戻ってきた。
今はカーテンを閉めて1人ぼっち、辛そうな咳がたまに聞こえるだけだった。
俺だって一人ぼっちだ。
相手にしてくれる人はいないし、楽しくない。
入院生活が楽しいのはみんながいるからなのに。
225人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
新道踏切(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました!またの更新待っています(*^^*) (2020年12月4日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
ちる - すごくいい話ですね!期待してます! (2020年3月8日 0時) (レス) id: 86380dcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - ちねんさんのお話を検索してこちらの小説を見つけました。続きを楽しみにしています! (2020年3月2日 16時) (レス) id: cf2ae7ce49 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 面白いお話ありがとうございます 続きを楽しみにしています! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱむこ | 作成日時:2020年2月20日 21時