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伊野尾side
「ゆーりくる?」
「くるよ、途中からみたいだけど」
侑李の体調の悪さは朝のカンファでも話題だった。
それでも来ると言う決断をしたのだから、間違いはないはずだ。
急変でも起こさぬ限りきっとここに現れる。
「涼介は大ちゃんとお遊戯の準備してな。」
「うん。」
パタパタと走って行く涼介に走らない!と声を荒げながらハァ吐息を吐く。
お遊戯会は子供たちにとって唯一とも言える楽しみだ。
難なく終えられればいいけれど。
・
・
侑李が車椅子に乗って現れたのは丁度涼介たちの出番が始まるところだった。
ぱあっと顔を明るくした侑李に安堵しつつ、隣にいた薮に声をかける。
「あれからどうよ。」
「熱は下がってないけど、バイタルは安定してるし大丈夫だと思う。それでも油断はできないけどね。」
「現状維持できればいいね。長く侑李もここにいたいだろうし。」
「そうだな。」
楽観視する俺とは違い、険しい顔をする薮ちゃんに気を引き締めながら侑李をチラリと見つめた。
舞台に釘付けのその瞳は守ってやりたくなるほどキラキラと眩しく輝いていた。
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新道踏切(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました!またの更新待っています(*^^*) (2020年12月4日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
ちる - すごくいい話ですね!期待してます! (2020年3月8日 0時) (レス) id: 86380dcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - ちねんさんのお話を検索してこちらの小説を見つけました。続きを楽しみにしています! (2020年3月2日 16時) (レス) id: cf2ae7ce49 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 面白いお話ありがとうございます 続きを楽しみにしています! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱむこ | 作成日時:2020年2月20日 21時