能力を持つおとぎ話の人物達は

絵本と現実　*CrabAlice* ページ7

絵本の中ではのほほんとのんびり生活できたけど…

いまじゃそういうわけにもいかなくて。

今、私は水咲アリス(水ちゃん)に頼まれた本の解析…的な。

見た目は普通だけど、中に目次と題名しか書いてないのはなぁ…

やや古めだけど、紙はあまりボロボロじゃない。

表紙が硬くて、薄い緑色に見えるこの本。だけど、水ちゃんは薄い水色に見えるらしい…

桃咲アリス(桃ちゃん)は薄い桃色、紫咲アリス(しーちゃん)は薄い紫に見えるらしい…

「…これ、もしかして自分のイメージカラー、もしくは好きな色の色に見えるってこと…？」

なんなのこの本？おかしい事が多すぎる。

「誰かの能力…っていうのもありえるかな。うーん…。もしかして…」

…私達の物語の中で何か異変があったとか？

「…っ、なんで…？うまく思い出せない…！」

ずっと仲よく生活していた事は覚えている。なにがあったとかもだいたいすべて。

それなのに、なぜかここに来る前日のワンダーランド(不思議の国)の様子が思い出せない。

「…なにか、ある。」

そう直感した私はこれからどうするかを考えた。

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