九話 ページ11
「…貴方は誰」
警戒を怠らずに眼前の敵を見据える。女の周りには風が巻き起こっていた。もしかして大尉が言っていた風というのはこの女の事なのだろうか?
「そんなに警戒しなくてもいいのよぉん?」
女はケラケラ笑う。私はその笑いにイラッとしながら剣であり私の相棒であるアリスを手に握る。
暫く笑っていた女はふぅと息を吐いて真面目な顔になりこう言った。
「あんたのぉ、探し人の場所教えてあげよっかぁ?」
「探し人…ですって?」
汗が滲む。キリキリとお腹が痛む。なんだ?なんなんだこの女は
「誰の事だ」
「あの人でしょ?あんたの探し人。あんた、いやユキネのお父さん」
此処で女は区切り、ニィッと口角を上げて囁いた。
「ユズリ」
と。
私は女に斬りかかった。これ以上私の大事なお父さんを穢してなるものか!この時は此れだけを考えていた。
剣が女の心臓を捕える。絶対に殺 す!
嫌悪、怒り、憎悪。全てをアリスに込めて、私は剣を突き刺した
はずであった
カキン!
甲高い音を鳴らして私の剣は弾かれた。「どうして…」私は驚いて剣を弾いた人物を見た
カラン。私は剣を落とした。どうして…どうして……貴方が此処に…だって、なんで。どうしてよ……
お父さん!
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作者名:白色 | 作成日時:2019年7月25日 14時