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あれから意識を取り戻すと演劇部の部室の椅子に座っていた。
部室内は紅色に染まり、美しく感じた。
「大丈夫…?A。」
視界に横からひょっこりと顔を出して声をかけてきたのはやはりおモチちゃん。
「えっ?あ、あぁ……うん、大丈夫。」
少しびっくりしつつ、大丈夫と伝える。
「最近練習終わった直後にぼーっとする事多くなったよね。やっぱり疲れてるんじゃない?」
そうなのか、よく僕はぼーっとしているのか…。
「………ううん、大丈夫。ちゃんと寝るから。安心して。」
新事実を知りながら、またおモチちゃんを安心させる。
「ならいいんだけど……。私先帰るから鍵よろしく。早く帰るんだよー?」
きっとおモチちゃんも何か用事があるのだろう。
おモチちゃんはスクールバッグを肩にかけた。
「うん!ありがとう!」
そう返事をし、おモチちゃんの背中を見届けた。
他の部員達ももう既に下校をし、部室には僕のみとなっていた。
はぁ……これは完全に………。
「おーい!A!帰るぞー!!」
その声に反応し、声が聞こえたドアの方を見ると、
そこにはドアに腰をかけたジンペイや、
マタロウにコマ君、ふぶきもいた。
「あ、皆。」
YSPクラブはお休みしているものの、登下校や、教室は共に行動している。
「ごめん、今行く!」
練習に出されていたであろう台本と、筆箱やファイルを
バッグに詰めてジンペイ達の元へ懸けた。
***
「ねぇ、皆。」
帰り道、皆を呼んだ。
「ん…?どうしたの?Aさん。」
僕が突然止まるから、不思議に思ったマタロウがそう言った。
「…………。」
だが、怖くなって口が開かずにいた。
「おーい!どうしたー?Aー?」
おかしく感じたジンペイは僕を呼んだ。
「……な、なんでもない!!早く帰ろっ!」
と、ジンペイ達を割って前に走った。
「なんだそれー!よっしゃ!宿舎まで競走だぁーーー!!」
そんな僕を見て急に競走を始めるジンペイ。
ジンペイは僕を追い抜いて行った。自由だなぁ……。
「あ!待ってよ!ジンペイ君!」
その後を追いかける僕達。
「またかよ」って言われるのが怖くて少し言えなかった。
そんなこと100%言わないと知っているのに。
その弱さを隠すように理由をつけた。
だが、丁度いい。
この完全にYSPな案件を解決し、強くなろう。
彼らと共に肩を並べて闘えるように。
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ゆき猫(プロフ) - 黒曜楼乱さん» ワイルドボーイ登場です!これからトワイライトセブンも始まりますが、できるだけワイルドボーイに活躍してもらう予定です!じゃれあい…まだ内容は決まってませんが、頑張ります!骨は拾っておきます笑 (2021年1月25日 6時) (レス) id: a93230bf5d (このIDを非表示/違反報告)
黒曜楼乱(プロフ) - あ、あああ、遂に!登場!ワイルドボーイ!この日をどれだけ楽しみにしていたか…じゃれあいも楽しみにしてます。やばい、じゃれあいで尊死するわ、絶対。骨は拾ってくれ… (2021年1月25日 0時) (レス) id: 461a2e2951 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき猫(プロフ) - 黒曜楼乱さん» ジンペイはバカでアホだけど、底知れぬ優しさを持っていて欲しいです((フユは過保護過ぎる位が可愛いですね笑最推しはワイルドボーイ何ですか!ではでは、力を入れて頑張りますね! (2021年1月18日 0時) (レス) id: a93230bf5d (このIDを非表示/違反報告)
黒曜楼乱(プロフ) - ジンペイくん優しいねぇぇ〜。ユキちゃん可愛いんだが?もうお母さんじゃん!私の最推しHEROワイルドボーイの登場も近いのでは!?楽しみにしてます〜! (2021年1月18日 0時) (レス) id: 461a2e2951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき猫 | 作成日時:2021年1月7日 22時