＊＊ ページ9
私の指使いで軽快な音が耳をノックした。
｢私！A！開けていい？｣
｢A殿か。今開ける｣
紅丸の返事も束の間、私の目の前の扉が開け放たれる。
そこには変わらずの紅丸。
良いのか悪いのか。
｢ありがとう、失礼しまーす｣
｢うむ｣
｢そういえば紅丸、何か頼みたいんだったよね？何だったの？｣
｢あ、あぁ……その……｣
やはり紅丸の視線が泳ぐ。
｢あまりこの環境に慣れていないからか、気が休まらないのだ。その……A殿に……モフる？を…してもらったら…少し気が休まるのでは無いかと……｣
紅丸は恥じらいながらもそう告げる。
そっか、あの時間。
紅丸も心地いい時間だと思ってくれていたのか。
｢うん！そんなことでいいならやるよ！｣
私は紅丸の頼みを快諾し、早速抱きつき、モフり始めた。
週一でモフる約束をしたあの日から度々その機会を設けていたが、
最近は少し忙しかったため、その機会を作るタイミングを逃していた。
私自身、久しぶりのもふもふに歓喜していた。
先程も少し言ったが、紅丸がこの時間を心地いい時間と思ってくれている事実にも嬉しくなった。
そんな気持ちで私は紅丸の頭を撫でながら、
｢紅丸はいつも凶暴化した怨霊と戦ってくれているからね、ありがとう｣
安心して、休んでね。と。
｢うむ……｣
紅丸は気持ちよさそうに目を細め、閉じた。
そしてしばらくの間モフり続けていたら、
規則的な寝息が聞こえた。
安心して寝ちゃったみたい。良かった。
その静かな寝顔を見ると、いつもの勇ましい紅丸とは打って変わり
なんだか可愛らしく感じる。
まぁ、私は猫相手だといつも可愛い可愛い言っていて説得力無いけどね。
今のは『猫』というより『剣豪紅丸』として可愛いと感じたってことかな。
私たちの頼れるリーダー。
いつもありがとう。お疲れ様。
そう感謝して私は紅丸の額に一つの口づけを落とした。
満足したように頬が緩み、紅丸の頬を一撫でする。
そんなこんなで私もだんだん眠くなり、寝てしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆき猫(プロフ) - ここさん» 閲覧頂きありがとうございます！お待ちいただけると幸いです！ (2023年2月1日 23時) (
レス) id: a93230bf5d (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - ゆき猫さん» 見ました〜！！何回見てもドキドキします＞_＜気長に待ってます！！ (2023年2月1日 17時) (レス) id: 977f95a8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき猫(プロフ) - ここさん» 応援ありがとうございます！番外編2も投稿してありますので良かったら！ブルームーン編も鋭意制作中ですのでもう少々お待ちください！ (2023年1月30日 17時) (レス) id: a93230bf5d (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです、、😖💕続き待ってます🙏🙏 (2023年1月28日 18時) (レス) id: 977f95a8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき猫(プロフ) - 和鼠さん» ありがとうございます！お待ちしていますね！ (2023年1月2日 8時) (レス) id: a93230bf5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆき猫 | 作成日時：2022年8月3日 21時
