【 HQ 】京美人 【男主】

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物心ついた頃から「バレーボール」

は既に自分の中にあった

男子バレー日本代表の監督であった父に教えられ

俺はすっかりバレーボールの虜になった

大好きな父に褒めらるのが嬉しくて毎日毎日

練習にあけくれた

そんな俺を見た父がジュニアチームに紹介してくれ

俺はますますバレーにのめり込んでいった

「はやく俺のところ(日本代表)まで上がってこい」

と、父の言葉を受け必死にその背中を追いかけた

そして努力の甲斐あってか京都府選抜選手として

JOC都道府県対抗中学バレー大会に出場し

見事優勝

ベストセッター賞まで手にすることができた

やっと父の背中を掴めそうなところまできた

俺は興奮気味で急いで観客席にいた

母のもとへと走った

しかし母は携帯を片手に震えながら

今にも消えてしまいそうなか細い声で俺にこう告げた

「Aよく聞いて、実はお父さんが＿＿＿＿＿＿」

掴みかけた掌からそれはいとも簡単ににするりと

俺の中からすり落ちていった

なんで なんで なんで父が？

人目も気にせず泣き崩れる母を見ながら俺は思った

こんなもの(バレーボール)に一体なんの意味があるのだろうかと

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