感情24 ページ28
深い深い、海の底に沈んでいく様な感覚。必死に藻掻くが一向に上に上がれない。次第に抵抗するのを辞め、ふわふわと水中を漂うだけになる。最初は息を止めていたが、諦めてからは不思議と呼吸は出来ている。此処は何処だろうと辺りを見渡すも真っ暗闇だ。独りぼっちになってしまったと自覚した瞬間、背筋が凍り付くような恐怖に見舞われる。
『(嫌だ、嫌だ。私は禰豆子を人間に)』
「今の貴女じゃ、出来ないでしょう?」
誰?誰かの声が聞こえる。でも姿は見えない
「ふふ、ちゃんと前を向きなさい。耳を澄ませなさい。私はいつでも此処にいるわ」
私は前を向いているし、音も聴いてる。何を言っているんだ。
「困ったら、踊りなさい。あの人に教えて貰ったでしょう?」
踊り?あの人?何の話しをしているの。
「あらあら、」
待って
「もう時間ね?貴女は随分長い間此処に居たから、もう帰らなくちゃ。」
手を伸ばすが彼女には届かなかった。
然し、何処か懐かしい様な、心地良い声をしていた。
『…おかあさん』
無意識のうちにそう呼んでしまったのは偶然か、必然か。
☪︎
炭「…朧!!!嗚呼、良かった……!!目が覚めたんだな!!」
『たんじろー…』
炭「そうだ、炭治郎だ、わかるか?!」
ずっと手を握ってくれていたのか、温かかった。泣いたのか、目が腫れている。心配を掛けてしまうほど眠っていたのか。昨日は普通に布団に入って寝たはずだが。状況が把握出来ずにいると炭治郎の声を聴いて慌てて部屋に戻ってきた善逸が説明をしてくれた。
善「朧ちゃん、急に意識無くして3日間眠っていたんだよ!!1日目なんて心臓は動いてるのに息してなかったし…もう俺達朧ちゃんが死んじゃうかと思って……!!」
炭治郎は寝ずに看病したし、禰豆子はずっとくっついて、善逸は僅かな心音を頼りに、伊之助は謎に頬を突いてみたりと至れり尽くせりだったそうな。
禰「むー……」
目が覚めてから、ずっと私に抱き着いたままの禰豆子。余程心配だったのだろう。
眠っていた間、不思議な夢を見た気がしたが覚えて居ないが、次の日からは刀を握り昔父に習った踊りを踊っていた。
「これはな〜、お前のお母さんが昔踊っていたんだぞ〜!!大丈夫、朧にも出来るから、ちゃんと覚えて置くんだぞ!」
舞とは違うのか?父に問うが違うと言う。
朧気な父との記憶を頼りに踊る。
まぁ、骨折が3日やそこらで治るはずもなく炭治郎に叱られてしまったのだが。
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ゆきな(プロフ) - (´∀`)b (2019年8月6日 10時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お話読ませていただきました!とっても素敵なお話ですね!登場人物一人一人が丁寧に書かれていて本当に素敵だと思います。これからも応援していますので、お体を第一に更新頑張ってください! (2019年8月3日 3時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - 今回も面白かったです。けど、個人的には柱裁判に夢主を参加してほしかったです。(そっちの方が面白そう)失礼。オチはやっぱり炭次郎。なんたって、幼い頃かずっと好きだったから。更新楽しみにしています。 (2019年7月21日 3時) (レス) id: 05ffcd4bcd (このIDを非表示/違反報告)
みしろ(プロフ) - 望さん» 皆さんのご想像にお任せ致します!貴方の願いが夢主ちゃんの願いですので!! (2019年7月9日 11時) (レス) id: 509e58e731 (このIDを非表示/違反報告)
みしろ(プロフ) - 帽子さん» 続けさせて頂きます!!!ですが少々矛盾点やら変更点があるので訂正を入れることになります。 (2019年7月9日 11時) (レス) id: 509e58e731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みしろ | 作成日時:2018年6月26日 22時