【鬼滅の刃】 無表情少女

感情14 ページ16

朧に様々な表情が徐々に現れ始めている。とても喜ばしい事だ。
ふと、朧の瞳の事が気になった為鱗滝さんに聞いてみた


鱗「そうか…朧があの子達の為に怒って…」


違う、そこじゃない。確かにそれも重要な事だ。朧が怒りどころか感情を顕にするなど前代未聞だったのだから。実際俺も朧の成長を見れて嬉しかったが


炭「あの、それで朧の…」


鱗「分かっておる。朧、お前も来い」


『…はい』


それから鱗滝さんは朧の瞳について話し出した。
どうやら、俺の仮説はあながち間違ってないようだ。


鱗「お前の母もそうだった。理由は分からないが、その瞳は感情を映し出す。」


そして、母と父は鬼に追われていたらしい
匿っていたが、母は朧を産んで亡くなり、父も病に倒れ、そして朧だけが残された。
朧だけなら、と親戚に預けられたが鱗滝さんには何の連絡も無かったそうだ。


鱗「お前が、親戚中にどんな扱いを受けていたのか匂いで分かってしまった。本当にすまない…!!」


『鱗滝さんは悪くないですよ。それに、竈門家に引き取られて随分良い生活をさせてもらいました。』


恩返しするのも叶わなかったが、と俯くがすぐに顔を上げ俺と禰豆子を一瞥すると


『だから、炭治郎と禰豆子は必ず守り抜くと誓いました。絶対に禰豆子を人に戻す。炭治郎も守る』


そう、強く鱗滝さんに訴えた。
成長したものだ、竈門家に来てからただの一度も笑わずに、泣かずに、不満を訴える事も、贅沢を言うことも無かった朧が…


炭「朧…、ありがとう。俺も必ず朧を守るよ!!」


幼少よりずっと一緒にいた幼馴染だが、確かに俺は朧に幼馴染以上の感情を抱いていた。当の本人は気付いていないが。禰豆子を人に戻し、朧に笑顔が宿ったら、想いを伝えようと思っている。


『炭治郎…まずはその怪我治そうよ』


炭「…そうだな!!!」


頑張れ炭治郎、相手は手強いぞ!!生半可な気持ちじゃ伝わらないぞ!!お前は長男だ、そして男だ!!諦めずに努力するんだ!!


鱗滝さんが暖かい目で見ていたからか、なんだか気恥ずかしくて修行しようとするがやはり怪我が酷くて動くことすらままならない。


鱗「…治ってから修行するように」


『そうだよ、無理は良くない』


禁止令を出されてしまった。なんということだ。

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