俺らの師匠【灰谷兄弟】

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『もう蘭と竜胆に教えられることはないかなぁ』


疲れたふうに言うAさん
全然疲れてないくせに


「俺結構強くなったでしょ！」


竜胆が自慢げに胸を張る

『そうだねぇ、竜胆センスある〜！』

よしよしと頭を撫でるAさんに
撫でられる竜胆


もう見慣れた光景だ



あーあ、これが無くなるなんて、やだな
Aさんの記憶がなくなってから、会えるようになるけど、一緒に暮らせるらしいけど、


やっぱり今のAさんとずっと一緒にいたいなと思う



もうあと一週間しかない
一週間したら、Aさんとはしばらく会えなくなって、帰ってくる頃には、俺たちはもうAさんの脳内にはいないのかもしれない


「三人で旅行行きたい」


三人で行ったら、笑って素敵な思い出として写真に残るなら、もしかしたら記憶が戻るかもしれない


『いーね、蘭、ナイスアイデア！』
















Aさんが選んだのはまさかの北海道(真冬ver)

それは聞いてない。帰りたい(切実)(寒いの苦手)




「兄ちゃん！！見てみてゆき！雪だるま！」

『うおぁ蘭！めっちゃでっかいかまくら！』



…まぁでもこいつらの笑顔見れたら別にいいか



「おーい写真撮るぞ、」

『待って、蘭もいっしょ写ろ？』



近くにいた熊(？？？？？？)に写真を撮ってもらい、
満足げに旅館へと戻る俺達。




うん、あえて触れない。






『カニうめぇええ！！！』


「ひつじごめん！！！うまい！！！」


「……………ﾓｽﾓｽ」

俺今過去一番に冷静かもしれない




それは、二人と居れる安心と幸せからなのか、


はたまたこれからくる別れを受け入れようとしているのか






「ううん、俺は認めない」

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