夏の魔法 (ページ8)

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8話ページ8

なんで、なんで？

なんで斗亜は転校してこない…？？

俺が、斗亜の立場になったなら、斗亜も俺の立場になっているかも…

俺は家をとび出た。

電車を何本も乗り換えて俺は俺が引き取られた孤児院へ向かった。

『っはぁっ…ここだ…』

昔の記憶を頼りに孤児院に着けた。

『あの！斗亜、嶋﨑斗亜君いますか！！』

「えっと…どなたですか？」

入口にいた先生に声をかける。

『あ、俺、嶋﨑斗亜君の友達なんですけど…』

「A。」

後ろから懐かしい声が聞こえた。

『っ！！斗亜っ！！』

思わず抱きついてしまう。

斗亜は驚きもせず俺を受け止めてくれた。

斗亜「先生。ちょっと外出とるね。」

先生に声をかけ、俺を外へ連れてった斗亜。

斗亜「久しぶりやね。」

そうはにかむ斗亜は俺の知っとる斗亜やった。

『斗亜っ、すまん！！俺、おれっ…』

斗亜「あ〜！！謝らんといて！！別に斗亜怒ってへんし。」

『ならなんでっ！！』

斗亜「斗亜の方こそ、ごめんな。Aのことよう知らんと、能天気にいつも喋りかけて…」

そう言いながら斗亜は左手首についてるリストバンドにてをかけた。

『みるな！！！！っ…お願いっ…見やんといて…』

慌てて駆け寄って斗亜の手を止める。

斗亜「ちょっどその後やったんよ。斗亜が目覚めたん、病院やった。」

『あっ…』

俺のせいで、斗亜の体に傷をつけてしまった。

俺は自分の手首に着いているリストバンドを強く握る。

斗亜「Aのせいやないよ。」