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「A〜？ここどうやって上手く弾けるん？」
「あぁ〜ここはなぁ、中指もうちょい強く押さえたら上手くなるで。ほら、こうやって…」
「あ！ほんまや！！めっちゃ綺麗になった！！」
良規は俺がギターを教えると、どんどん上手くなっていった。
「ってか、良規前髪邪魔やないん？」
「あんまそうは思わんけどな…」
「えぇ…俺が見てて邪魔やからくくるな？」
そう言って良規の前髪をくくる。
前髪の奥には平行二重の瞳があって、その瞳が俺をとらえている。
「A…？」
不思議そうに俺の名前を呼ぶ良規。
「これから俺と二人ん時は前髪くくってぇな。」
「ええけど…」
俺だけが特別な良規を知ってればいい…そう思った。
小6の冬。
「もうすぐ卒業やなぁ…」
学校の帰宅途中、良規がそう言った。
「せやなぁ。中学でも仲良うしてな？」
「あったり前やん！！俺、Aしか友達おらんし！Aこそかっこええから、中学行って俺の事見捨てんでな？」
「見捨てるわけないやんww」
「笑い事ちゃうでな！！？」
そう話したのも束の間、急に俺の親の仕事の都合で海外へ引越しが決まった。
良規に何も言えず俺は海外に引っ越した。
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作者名：春宮 | 作成日時：2023年6月25日 23時
